推しと元彼は同じグループ【雪男】 (ページ47)

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翔太side

ついに来た…この日が。
ずっと楽しみで仕方なかった。

やっっと！Aさんに会えるんだ。
いつもより機嫌が良いからなのか目黒に

「翔太くん今日ハイテンションっすね」

なんて言われた。
もちろん「Aさんとご飯行くんだよ」
なんて言えるわけが無くて。

そうかな？と誤魔化すことしか出来なかった。

撮影が終わり店に着くと、予定の時間の20分前。
予約していたからスムーズに個室に通された。

良かった…まだAさんは来ていない。

時間が経っていくにつれて心臓の鼓動が早くなっていくのを感じる。

外から店員さんの声が聞こえ、
少し間が空いて開いた扉。

『失礼…します。』

そうたどたどしく言う彼女は

とても可愛かった。

「…お久しぶりです。」

冷静を装っているつもりなんだけど…無理だ。

高ぶる気持ちと高揚感を感じ、落ち着けと自分に言い聞かせる。

上着を脱ぎら俺の前の席に座ったAさん。

『遅くなり…すみません。』

「いや、全然待ってないんで大丈夫です。」
「とりあえず何か…頼みますか」

『そ、そうですね！』

2つあったメニューを取りAさんに渡す。

お酒…どうしよう。
俺お酒強いタイプじゃないし、今日はやめておこう。

決まりましたか？と言おうと顔を上げると
真剣にメニューを見ているAさん。

その姿が凄くかわいくて、愛おしくて。
つい見惚れてしまう。

ぱっと顔をあげると

『こんなにお高いのを良いんですか？すみません。』

なんて言うもんだから

「気にせずに選んで下さい」

と咄嗟に言った。

『どれも美味しそうで迷っちゃいます。
　すみません遅くなって。』

「…すみませんって言わないで下さい。俺の前で。」
「遠慮せず、いくらでも我儘言って下さい。」

勝手に口が動いていた。まずいこと言っちゃったかな…

そう思っていると

『ありがとうございます…！』

なんてAさんが笑顔で言うもんだから
思わず照れた。

本当に可愛いな、。