６、 ページ6
・目黒目線
康二が飛び出した後をただ呆然として見つめていると
少しの溜息の後に舘さんが口を開いた
「行ってあげなよ」
『でも、』
「荷物、忘れてるみたいだし」
視線の先には、椅子に掛けられた康二の鞄
「ここら辺、最近変な飲み屋出来たらしいからね」
『変な飲み屋？』
「いわゆるゲイバーみたいな所」
『それ、ヤバいじゃん』
「だから行きなって」
再び吐いた溜息は、さっきよりも深くて大袈裟だった
いや、大袈裟ではないかもしれない
『すみません、行ってきます』
「うん」
カウンターから出て、康二の荷物を持ち、急いで外に出た
そして、後悔の念を感じながら必死に探す
正直に言えば、普通に嫉妬したんだよね
康二の性格上、別に恵比寿と連絡先を交換するってことに変な意味はなく
本当に友達になりたいと思っているだけなんだろう
けど、恵比寿の方は違う
どう見ても康二のことを異性として狙っていた
まあ、本人は鈍感だから気づいてないんだけどね
そんな俺がモヤモヤしてるのも知らず
俺のこと友達だとか言い出したり、褒められて満更でもない顔されて
怒るなって言う方が難しいでしょ
『ったく、どこ行ったんだよ』
スマホは鞄に入ってるから連絡手段はない
けど、財布がなければ徒歩で家に帰るしかないから帰り道にいるはずなんだけど…
『まさか、家に向かってない…？』
“ 誰かに襲われてる ”
そんな最悪な事が頭をよぎって踵を返し、慌てて走り出した
康二って、本当に自分のこと分かってないと思う
無意識に出る表情とか仕草には、男女関係なく惹き寄せる力がある
無意識と男女関係ないってこと、ほんとにタチ悪いよね
なんで俺がここまで自信を持って断言しているのか
それは、自分自身が経験しているから
“ 初めて ” 俺たちが会った日
俺は恋に落とされたんだよ、康二に
不安そうに揺るがせた瞳
自然に緩んだ口元
理性を崩す甘い声
全部がワザとのようで違う
魔性の魅力
『はぁ、はっ…！！』
人混みを掻き分けて、無我夢中で走ると
やっと見つけた
「離せやっ！」
まん丸頭と少しハスキーな声
確か、あの日もこんな感じだったね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1441人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スメシ - ぬおさん» コメントありがとうございます。返信遅くなってしまい申し訳ございません！お酒も飲んだことないお子ちゃまで背伸びしすぎましたが、楽しんで頂けて幸いです！お気になさらないで下さい！私も誤字脱字ばっかりなので笑。 (2021年9月20日 20時) (
レス) id: d18bd80c72 (このIDを非表示/違反報告)
ぬお - あ。誤字ってしまいました！読んだことがあるお話で運命？！と思ったという話です…すみません… (2021年8月23日 17時) (レス) id: 0b5ba9310b (このIDを非表示/違反報告)
ぬお - おしゃれすぎます…ゆりぐみにもめめこじにもきゅんきゅんしました…！最高ピーマソ！カクテル言葉っていうのがロマンチックです…スメシ様の作品を探して読んだら読んで、好き好き思ったお話で運命！？とか思っちゃいました… (2021年8月23日 17時) (レス) id: 0b5ba9310b (このIDを非表示/違反報告)
スメシ - スーさん» コメントありがとうございます。いえいえ、遅いも早いもないです！お話を読んでいただいて、コメントまでしてくださるなんて、作者にとっては感無量です！スー様からの応援、いつも励みになりました！本当にありがとうございました！ (2021年4月23日 20時) (レス) id: 9a5e6b609c (このIDを非表示/違反報告)
スー - 完結おめでとうございます！！遅くなってしまいすみません…お話を読んでいけばいくほど引き込まれました。完結まで、お疲れ様でした！ (2021年4月22日 22時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スメシ | 作成日時：2021年4月12日 0時
