雪娘は淫魔

. ページ34

『ね、どう？』


　試着室のカーテンを開けて


　くるっと一回りする


向「うわ！めっちゃ可愛いわ！」


　今すぐ写真撮りたいけど


　さすがにまだ買ってへんもんは撮られへん


　『ほんと？つなぎとか初めて着たかも』


向「いやほんまに可愛すぎる！」


　『やった、これ買う！』


向「俺が買ったる買ったる

　 そうや、あとなこれも着てみて」


　Aが試着してる間に見つけた服を手渡す


　『ありがと！ちょっと待っててね』


　Aがカーテンを閉めて


　試着室に戻るのを見届けてから


　カメラのフォルダを開く


　くしゃっと笑った顔


　寒い中アイスを頬張って幸せそうな顔


　ちょっとふてくされた顔


　可愛い、全部可愛い


　俺のもんだけにしたい


　いつか主演がAで


　俺が助演で監督でカメラマンになりたい


向「、、叶わへん願いやなあ(笑)」


　画面に映し出されてる


　満面の笑みのAに向かって呟く


　『こーじくん』


　Aの声がし、顔を上げると


　カーテンから顔だけだしたAがいた


向「どないしたん」


　『、、着方わかんない』


向「え、そんなことある？

　 店員さんよんでこよか」


　『んーん、こーじくんこっち来て』


向「、、何言うてんの

　 俺男やで」


　『もーわかってるよ

　 いいからはやく』


向「ええ、」


　困りに困ってると横から


　ニヤニヤした店員さんが来て


店「彼氏さんですか？

　 中広いんでご一緒にどうぞ(笑)」


向「、、、どうも」


　絶対この店員面白がってるやろ

.→←専属カメラマンがいます

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す