雪娘は淫魔

人の体温が好きです ページ7

私は季節問わず


　氷のようにとても冷たい


　前に試しに体温計で計ってみたら


　エラーではなく壊れたくらいだ


　夏は皆、私の手を冷えピタ代わりにする


　いつもやって貰ってばかりだから


　求められると嬉しくて快く手を貸す


　それに私は人の体温が好きだから


　一石二鳥になる


　あと、たまに体温に触れたい衝動に駆られる


　じんわり暖かくて気持ちいいのだ


　それが夏なら気安く触れるけど


　今は冬、


　冬は出来る限り触れないようにしている


　冷えきっちゃって死んじゃうと思うから


　そんなときは


　自販機でホットココアを買って手で包み込む


　人の体温に似ているから好き


　でも、私の手の冷たさで


　瞬く間に冷たくなってしまう


　『、、、冷めっちゃった』


　2本目を買いに行こうと


　財布を持って出て行こうとしたとき


　シャワーから出てきた


　上半身裸のふっかと鉢合わせた


深「どっか行くの？」


　『うん、自販機

　 何かいる？』


深「あーいらない」


　『そかそか』


　ふっかの横を通り過ぎようとしたとき


　『わわっ』


　グイっと手首を引かれ


　ふっかの腕に包まれて


　じんわりと体温が伝わってくる


深「Aはほんとお決まりのココアだな(笑)」


　どうせ冷めたやつを俺に飲ませるんだろって


　私の頭の上でクスクスと笑う


　きっとテーブルに置いてある


　ココアが目に入って気づいたのだろう


　『、、、風邪ひくよ？』


　シャワーから上がってきたばかりで


　なおかつ上裸だ、すぐに冷えてしまう


深「ここ暖房効いてるから大丈夫だよ」


　『、、、ありがと、』


　腕をふっかの背中に恐る恐るまわす


深「、っ」


　私の手が背中に少し触れた時


　身震いをした


　『ごめ、、』


　ほんとに風邪をひいてしまうと思って


　離れようとしたけど


　それ以上の力で抱きしめてくる


　『ふっか、離して』


深「嫌だ、俺が風邪ひくより

　 Aが発作起こす方が辛い

　 俺の体温でAの辛い気持ちがなくなるなら

　 いくらでもあげるよ」


　あぁ、この人は本当に人が良すぎる


　『私はふっかが風邪ひくの嫌だ』


深「じゃあ俺が風邪ひいたら

　 ずっとAの手で冷えピタして(笑)」


　『考えとくね』


深「なんでだよ(笑)」


　この男は私の何枚も上手だ


　これがふっかがリア恋枠と言われる理由なのだと確信した

雑誌撮影は苦手です→←たまに眠くなります

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す