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コンコン、ってドアをノックすると「はーい」って目黒の声が聞こえた。
「失礼します」
病室のドアを開けると、目黒の上裸が目に飛び込んできた。看護師さんに体の包帯を巻き直してもらってるところだった。
「失礼しました」
反射的にそのままドアを閉めると、中から「なんでだよ笑 入って来いよ」
って目黒の声。
ガラガラ…ってドアを開ける。一瞬、大きな痣が見えた。
看護師さんが手際良く手当をして、私と入れ違いに病室を出て行く。すれ違い様に、「彼、体が疲れてるから、寝てばかりかもしれないけど許してあげてね。」と言われた。
「あ、ハイ。」
声に反応して、ん？って目黒がこっちを見る。
ベッドの脇の椅子にちょこんと座る。
「男の裸なんかこの仕事してたら嫌というほど見てんだろ。
何意識してんの？」
黙ってる私を目黒が不思議そうに見て、目黒がははっ笑 って苦笑いする。
「なんか言えよ」
ありがとう、も違う気がして、ごめん、も違う気がして。何を言えばいいのかわからない。
「…痛い？」
「痛いよ」
目黒が私の目を真っ直ぐに見て、静かな、優しい声で言う。
「ごめん…」
「お前が来たからあそこまで戦えたの。
俺ひとりだったら死んでもいいと思ってた。」
.
.
次の瞬間、バコーン！！！！って勢いよくドアが開く。
「Aは、そんなことで目黒に惚れるほどちょろい女の子ではありません！！！！」
入ってきたのはふっかさん。
「そんな大声だしたら脳の血管切れちゃいますよ。ジジイ」
「悪口！！！！！！！」
目黒「まじで静かにしてください」
「あ、ハイ」
ふっかさんが、目黒の全身を正面から見る。
入院着の下に薄ら透けるぐるぐる巻きの包帯と、左腕のギプス。改めて見ると、今の目黒の見た目はとても痛々しい。
うゔん、ってふっかさんが咳払いをして、喉の調子を整える
「お前ら、クビ。」
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作者名：はな | 作成日時：2021年8月1日 14時
