君には、かなわない… ページ26
『よしよーし、大丈夫大丈夫』
タオルを取ってきたAは、俺の腕から乃愛を抱き上げて、ソファーに座りミルクを飲ませるから
俺も隣に座って、Aの肩を抱いて寄り添う。
ミルクを飲み始めた乃愛は、俺の時とは違い、安心しきったように瞳を閉じて
うくっ、うくっ、と、小さな口を一生懸命に動かす。
「かわいいなぁ…」
『かわいいね…』
目を細めて優しく微笑む姿は、ママそのもので、Aと乃愛の信頼関係が垣間見えた気がする。
おなかいっぱいになったみたいで、Aから少しミルクが残った哺乳瓶を受け取ると、
乃愛は、Aの腕の中で寝始めた。
『……寝たかな?』
「うん。乃愛ちゃん、おやすみ…」
そっと小さな手を握って、頬にキスをした。
『寝顔が、蓮くん、そっくりだね』
「俺、こんなにも可愛い顔して寝てんの?」
『寝てるよ?』
「はっず…笑」
『寝相は、悪いけどね笑』
そう言って、乃愛をそっとベビーベッドに寝かせ、俺がカーペットに溢しちゃったミルクを
エンゲージリングをはめたまま、タオルで拭いてくれる。
「乃愛のお世話だけでも大変なのに、俺まで用事増やしちゃってごめん」
『いいよ。気にしないで?』
優しい笑みを浮かべてくれるけど、申し訳なさは募るばかり
「A…」
『んー?』
「これで許して?」
手を動かすAの手の甲の上に、俺の手を添え
ゆっくりと顔を傾けると、雰囲気を感じ取って静かに瞳を閉じたAに、キスをした。
「A…愛してる」
俺がいない間は、家事に加えて、乃愛と愛犬3匹のお世話で大変なはずなのに
遅くなっても俺が帰ってくるまで必ず待っていてくれる。
俺の無茶なお願いもすんなり引き受けてくれるから、Aのお願いも叶えさせてね?
『私も…蓮くん愛してるよ』
私を選んでくれてありがとう!蓮くんが私の旦那さんで毎日幸せだよ♪
なんて可愛いことを言ってくれるAに、顔も身体も熱くなる。
「おじいちゃんとおばあちゃんになっても、ずっと一緒にいようね!」
『おじいちゃんとおばあちゃんって、気が早すぎ!』
なんて笑う君には、かなわないけど…
年を重ねると、まんねりしてくるかもだけど、
かっこいいと思ってもらえるように俺なりに努力するから
俺の側から離れないでね?
朝ごはん【俺に甘えるなんて、珍しいね?】→←そんなに落ち込まないでよ…
683人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜桃(プロフ) - 雪姫さん» 雪姫さん、とても嬉しいお言葉ありがとうございます。かっこいい…と言っていただけて嬉しいです🎶 (2023年3月8日 14時) (レス) @page8 id: 6b6429c2bb (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - めめええぇ〜と叫んでしまいそうなくらい、最高です。かっこいいわ…続き待ってます。 (2023年3月6日 1時) (レス) @page7 id: 2fedfb09fc (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - モフさん» ありがとうございます😊 (2023年3月4日 14時) (レス) @page3 id: 6b6429c2bb (このIDを非表示/違反報告)
モフ - めめ、最高! (2023年3月4日 12時) (レス) @page2 id: cad6fed786 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ