宏光と24H (ページ4)

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8:00AM

もうかれこれ1年くらいになるかな

俺の働いてるコーヒーショップに毎朝来てくれる
お姉さん
たぶん、俺より歳下だろうけど...

お姉さんは毎日来てくれてて

そのうち俺の名前を覚えてくれたみたい

「あ！ヒロくんおはよう。アイスのカフェラテ、トールサイズで」

「おはようございます、今日はカフェラテなんすね」

「うん、昨日の疲れが残ってて少し甘いの入れておきたいの」

お姉さんはタメ口で話してくるから、俺のこと歳下だと思ってるのは歴然

お疲れのお姉さんに極上の俺特製カフェラテを作る

カップにはこっそり”お疲れ様です”って書いたりして

「お待たせしました、アイスカフェラテです」

笑顔でお姉さんに渡すとお姉さんも笑顔で受け取ってくれる

「ありがと！いってきまーす」

「いってらっしゃいませ」

こんなやり取りを毎朝してるわけだけど
快活な感じで、見ていて元気をもらえて

毎日会えるのが楽しみになったのはもう半年前

でもまだお姉さんの名前は知らなくて

そろそろ名前とか聞いていいかなぁ・・・

俺、何気にそういうの苦手なんだよな

次の日もまた同じようにお姉さんはやってきて
今日はトールのアイスコーヒー

でも1つ違うのはお姉さんが小さな紙を渡してきた

「ん？」

「いつものお礼」

・・・イツモノオレイ？

その紙には、焼肉屋さんらしき名前

「これ....なんすか？」

「あ、昨日見つけたお店なんだけど、ヒロくん、お肉好きかなって、美味しかったからオススメしようと思って」

はぁぁ.........お姉さん...なんかズレてんなぁ＿＿

「オススメ....ですか」

「美味しかったよ～行ってみてね」

って、めっちゃ笑顔で言ってるけどさ、

それ、誘ってんの？それとも誘ってほしいわけ？

何事もなかったように去っていくお姉さん

俺、どうすりゃいいわけ..........

それから2週間近く経っちゃったんだけど、未だにお姉さんオススメの店には行けていない

今日もお姉さんは来店して

「ヒロくん、おはよう」

「おはようございます」

今日もいつも通り

「ありがとね！じゃ...」

「あ、あの！」
ん？と立ち止まるお姉さん

「まだ店行けてなくて.....その.....一緒にいきませんか？」

「え.....？」

「ダメ...っすよね..」

「っ...、ダメ.................じゃないです.....」

散々悩んで誘ってみたら、敬語で可愛いく返事された

コーヒーの香りが甘く香った

8:10AM