・(亮愛Side) ページ18
蓮に言うべきか、もう少し黙っておくべきか…
そんなことを考えていると、いつのまにか店の
近くまで着いていた。
蓮「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」
シェフの姿で、お客様に最敬礼し、見送っていた蓮の姿が目に入った。
蓮「亮愛、まだかな？もう17時だし閉めるか」
亮愛「蓮！」
蓮「ん？…あ！」
名前を呼ぶと、私に気付き、笑顔で大きく手を振ってくれる蓮。
蓮「おかえり」
亮愛「ただいま」
蓮の元へ駆け寄ると、遅かったから心配したじゃん。と私の手からエコバックを取り、肩に下げ、看板を持ち店の中に入っていく。
蓮「あ、亮愛、それ変えといて？」
蓮が指を指したのは、店のドアに掛けてあるオープンクローズの札。
それを"close"に変えて、中に入る。
蓮「ありがとう」
亮愛「おつかれさま。忙しかった？」
蓮「まぁまぁかな？ランチ時はマジで忙しすぎて、俺1人で回らなかったから、辰哉、照、翔太、涼太に手伝ってもらったよ。でも、それからは暇だったから、新作作ってた」
亮愛「そっかー、今日、土曜日だもんね。あとで、新作食べさせてね？」
そんなことかと思って、ケーキ買ってきてよかった！
蓮「うん！亮愛は？翔子さんと久しぶりのランチ、楽しかった？」
亮愛「うんっ、すごく楽しかったよ♪」
よかったね！と優しく微笑んで、お客様が帰った後のテーブルを片付ける蓮。
言わないと…！
でも、今言ったら、あなたはどんな顔をするの？
"もう男の子は7人で十分だよね"
そう何気に言った、蓮の顔が脳裏によぎる。
もし、この子が男だったら…
と考えると、言い出しにくい。
でも、言わなきゃ…！
亮愛「れん、あのね、聞いてほしいことがあるの…」
蓮「ん？なに？」
お皿とティーカップが乗ったお盆を片手で持ち、優しく微笑んだ。
亮愛「あっ！それ置いてからでいいよ。急ぎじゃないし」
蓮「わかった」
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本音を言うと、、
「赤ちゃんできたよ！蓮、8人のパパだよ！」
「えっ、マジ！？めっちゃ嬉しいんだけど！！」
なんて、早く喜びを分かち合いたかった。
でも、心の整理がつくまでは……
なんて思っているうちに、月日が経ち、さっき症状が出た結果、蓮に心配をかけちゃった。
亮愛「黙ってて、ほんとごめんね。」
蓮「ううん、謝んないで」
あんなこと言っちゃったから…と
落ち込む蓮を見て胸が、じーんと熱くなった。
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