4 ページ4
樹くん、電話してくれるって言ったのにな
普段ならすぐ寝付けるタイプなのに、もう少し待てば樹くんから電話が来るって思って、携帯を手放せない。
気づけば、明け方になっていた。
ピコンっ
"さすがにもう寝てるよね?"
そうきたメッセージ
"まだ起きてるよ"
そう返事するとすぐに電話がなった。
「ごめんな、昨日で1年だったのに。」
『ううん、全然大丈夫だよ!お疲れ様。』
「A、無理してない?」
『全然!大丈夫だよ!無理してない!』
「そっか、ならよかった。」
『うん、樹くん今度埋め合わせちゃんとしてよね!』
「おう!じゃあおやすみ。」
『うんおやすみ。』
何時間待ってもこなかった電話は出てしまえばあっという間に終わってしまった。
コンコンっ
またか、こんな時間まで起きてるんだ。いや、相手からしたら、私も同じか。
「電話の声うるせぇ。なに、予定すっぽかされたの?」
『え、聞いてたの!?』
「嫌でも声聞こえてくるっつーの」
『ごめんなさい』
「まーいーけど」
なに、変な人。
うるさかったのは悪かったけど、わざわざ言うかな?
って、ここの壁どんだけ薄いの。
『でもなんか安心する声だなぁ』
樹くんの声を聞けたからなのか、それとも壁越しの君の声を聞けたのかなのか、眠たくなってきた。
私はその時は気づかなかった。"安心"できる居場所はどこなのか。
1106人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:rin | 作成日時:2020年6月13日 15時