今日も壁越しで (ページ21)

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翔「俺、結婚しようかなって思ってるんだよね」

『え、おめでとうじゃん！！』

翔「まぁ、そうなんだけどさ」

『どうかしたの？？』

翔「相手がさ、お前の家のご近所さんだったやつの妹なんだよ」

『え！？花ちゃん？？』

翔「そう。」

『花ちゃん、めちゃくちゃ美人になったよね、翔太にはもったいない。しかも6歳も差があるよね？？』

翔「まぁ、めちゃくちゃかわいいんだよね笑」

『のろけかよ～～』

ニタニタ笑う翔太が羨ましくて、沢山惚気を聞いた。

けど、あるタイミングで翔太の顔が一気に曇った。

翔「なぁ、その兄の蓮覚えてるか？」

『んー、あ！蓮くん？？』

翔「そう、お前気づいてるか？」

『え？何を？』

翔「蓮と花が離れて暮らすってなって、花が親父と一緒に残って、蓮が、母親に連れられてあの町を出ていったこと。」

『それは覚えてる。蓮くんがどっかに行っちゃったの』

翔「お前、そん時、小さいなりに蓮に言ったんだよ」

『私、思い出した』

翔「うん」

『蓮くん、私蓮くんの事ずっと好きだよって言った』

翔「花から聞いたんだよ、蓮の事。今、モデル活動やってて、人気出てる。俺も最初、名字変わっててわかんなかったんだ。」

『目黒蓮……』

私の中でモヤモヤの原因がハッキリとした瞬間だった。