バイト先で元彼と再会したお話【伏黒恵】 (ページ4)

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｢…A｣

『え』

流石にもう来ないだろうと期待していたAだったが、その期待に躊躇なく裏切られた。

『狙ってるよね？』

｢ん？｣

『だから狙ってるよね？』

元恋人同士とはいえ3回も元カノのバイト先に来るのは流石におかしいと、伏黒を問い詰める。

何を狙っているのか分からない伏黒は質問を質問で返し、疑いの目をしたAとしばらく沈黙の時間が続いた。

『なんで何回目来るの』

『気まずいとか思わないの？』

｢…今日は仕方なくて……。｣

少し攻めすぎたかと思うAは重く考えるのをやめ、レジスターからお釣りを取り出した。

｢…今日はその…五条先生にこれ買って来いって｣

『…ん？……え』

伏黒が指を指した先にはAの丁度隣に立っている煙草売り場だった。

『えっ…これを買いに？』

｢いや、別に俺が吸うわけじゃないから｣

『いや、自分の生徒に買わせる先生なんて居るわけないでしょ……。』

だが、これを断ったらまた明日も明後日も来るような予感はAの脳内では考えついていた。

伏黒自身も困っている様子がしたので、仕方なく五条先生がよく使うという煙草を渡した。

まず、あの先生たばことか吸うんだ……。

『…ありがとうございました』

｢…っありがとう｣

お互い感謝しあっていることがAは違和感を覚え、流石にもう逢いたくないなと心の中で呟いた。