10 お姫様 ページ10
葵「新ー?Aちゃん?」
遠くから葵の声が聞こえた。紅茶はもう冷めてしまっていて、時計を確認すれば…
『あーーーーー!!!新!?!』
新「ん〜、なんだよ…うるさい』
『やばい、寝てる場合じゃない!色々まずい時間だよ?』
寝ぼけている新を叩き起こして、葵の声のする方へ向かう。慌てた様子の葵がいて「早く向かわないと間に合わなくなるよ!」と言って新の手とわたしの手を引いた。
各国の王を迎えるための会場に連れて行かれた。あれ、これ参加しなくてもいいんじゃ…と思っていた矢先「大人しくしてろよ?」と始に声をかけられた上に、春のとなりにわたしは配置された。
春「王様達をお迎えするからね?俺たちが動いたら後ろ、ついてきて?」
『あー、えっと…ここにいないとだめ?』
始「当たり前だ」
始に一掃されてわたしは大人しく始と春の背中を見つつ、動作を真似していた。
始が各国の王様に一人ずつ丁寧に挨拶をする。いつもはあんな感じだけど…やっぱり始は立派な王様だ。そして、わたしを救ってくれた大切なひとだ。
春「ふふ、久しぶりに始のあんな真剣な顔見たね」
『あ、うん…』
春「大丈夫、始はいつも俺たちの近くにいてくれるから。ほら、安心して笑って」
春は何かを察してくれたかのようにわたしに声をかけてくれた。仕事なのだけれど、少し遠くに感じてしまう距離。またひとりぼっちになってしまうのではないかという不安に苛まれる。だって、始がいなければ…わたしは、
始「これでひと段落したな」
春「お疲れ様」
始「A?」
あの場所で、命を落としていたのかもしれない。世界は不安定でみんなの心が荒んでいた。
始「A!」
『…わ、始?びっくりした』
大きな声で名前を呼ばれてビックリした。顔をあげればきれいなアメジストがわたしの瞳を覗き込んでいた。
春「慣れないことしたから疲れちゃったかな?ほら、少し休もうか」
春がわたしの背中を少し押してくれて、歩き出した。春は始の身なりを恋と駆に任せてわたしを春の部屋に連れていってくれた。
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忙しくて更新がマチマチになります…申し訳ありません。少しずつでも更新できたらと思っています!よろしくお願いします。
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衣里(プロフ) - 初めまして、全作品読ませて頂きました、懐かしくて涙が出てきちゃいました、紅縁、スクレボ、サバコレぜひとも書いて欲しいです。これからも頑張ってください (2019年10月6日 7時) (レス) id: a37957c804 (このIDを非表示/違反報告)
mel(プロフ) - みほさん» ありがとうございます。機会があれば書いてみたいなと思っていますが、円盤が出てからになるかと思います。申し訳ございません。 (2018年11月25日 19時) (レス) id: cd9818e417 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませていただいてます。紅縁のストーリーを小説化してください。 (2018年11月24日 20時) (レス) id: 40d86cc87b (このIDを非表示/違反報告)
mel(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!更新はゆっくりですがまた遊びに来てくださると嬉しいです!お待ちしております。 (2018年9月22日 17時) (レス) id: cd9818e417 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - melさんの作品全部大好きです。また新作の更新常に楽しみにしてます!!無理せず頑張って下さい! (2018年9月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 11be993efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mel | 作成日時:2018年7月30日 23時