36 睦月始 ページ36
ぱたん。と本が閉じられて、隼は優しい視線を俺とAに送っている。そして、Aは溢れそうな涙を自分で拭った。
始「…どうして、泣いてる？」
こういう時、どうにも気の利いた言葉が出てこない。慰めるとか…もう少し言葉の選択はできたはずだ。
隼「…ふふ、君って子は…」
隼が彼女を引き寄せて、ゆっくりと彼女を抱きしめる。何かが切れたように、彼女の瞳から止めどなく溢れる涙。
隼「…始？僕はいつだって君に感謝してるんだ」
始「感謝…？」
隼「僕の大切なお姫様といつも一緒にいてくれて、守ってくれたこと。それから、僕に…命に向き合うことの大切さを教えてくれたこと」
始「…そう言われても、あまりピンとこないんだが…」
隼から紡がれる言葉を淡々と聞いていても、俺には何もわからない。俺が推測するには…多分、この隼とAにはこの物語の記憶とやらが残っているのだろう。
隼「ほら、お姫様？黒の王様にご挨拶して？」
始「王様じゃ…っ！」
言いかけたところで、ふんわりと俺の胸元に飛び込んできた優しい存在。涙が止まらないらしく、俺の腕の中で小刻みに震えながら泣いている。
始「この状況をどうしろって…」
隼「ふふ、どうもでも…？」
『…はじ、め…』
始「…はあ、とりあえず落ち着け。俺はどこにもいかない」
その言葉に顔を上げたA。そんな顔をしなくても俺はずっとここにいる。お前らが思う以上に、俺はコイツと隼の幸せを願っているから。
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衣里(プロフ) - 初めまして、全作品読ませて頂きました、懐かしくて涙が出てきちゃいました、紅縁、スクレボ、サバコレぜひとも書いて欲しいです。これからも頑張ってください (2019年10月6日 7時) (
レス) id: a37957c804 (このIDを非表示/違反報告)
mel(プロフ) - みほさん» ありがとうございます。機会があれば書いてみたいなと思っていますが、円盤が出てからになるかと思います。申し訳ございません。 (2018年11月25日 19時) (レス) id: cd9818e417 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませていただいてます。紅縁のストーリーを小説化してください。 (2018年11月24日 20時) (レス) id: 40d86cc87b (このIDを非表示/違反報告)
mel(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！更新はゆっくりですがまた遊びに来てくださると嬉しいです！お待ちしております。 (2018年9月22日 17時) (レス) id: cd9818e417 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - melさんの作品全部大好きです。また新作の更新常に楽しみにしてます!!無理せず頑張って下さい! (2018年9月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 11be993efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mel | 作成日時：2018年7月30日 23時
