20 お姫様 ページ20
どのくらい泣いたのかわからない。春のジャケットが涙で濡れてしまった。
春「落ち着いた…？」
『…っ、ごめ…ん、春だって…』
言葉を紡ごうとするのにうまく言葉にならない。視線を少しずらせば瞳を閉じたままの始がいる。どうして…始をあの男はこんなにしたの？どうして…！ぐるぐると汚い感情が回る。
春「Aちゃん？俺の目、見て？」
『…はるっ…』
優しいグリーンの瞳がわたしを覗き込んでいた。抱きしめ直して、トントンと優しく背中を叩いてくれる。
春「…始から言われてるんだ。Aちゃんには、不思議な力があるから…何かあったら、Aちゃんを支えてあげて欲しいって」
『…春…』
春「…始はきっと大丈夫。だから…ね？AちゃんはAちゃんのままでいて…」
始は何かに気づいていたの…？不思議な力？わたしは【世界の鍵】。もしも隼が、もしも始と同じ状態なら…何かできるかも…？
『…春？』
春「…どうしたの？」
『白兎…真っ白な白い兎で、』
春「隼のこと…？」
『隼はどこにいるの…？』
春「…隼も、始と同じく目を覚まさないんだ。2人とも、体にはなんの外傷もないのに…」
始と同じ状態ならきっと…わたしは、隼のところへ行けるかもしれない。あの黒い男が何かをした？わたしの世界の鍵を使えば隼のところには飛んでいけるはず。
『…春、あのね…』
わたしは春に自分の能力を打ち明けた。世界の鍵を持つものであること、そして…世界は隼であること。世界の鍵と世界は一度繋がれば、お互い繋がり合うことができるということ。
『だから、隼の元へ行って…始と隼を助けてきたいの』
春「…そんなことしたら、Aちゃんだってどうなるか…。もう、俺は誰も失いたくないんだ」
春が切なげに言葉を紡いだ。
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衣里(プロフ) - 初めまして、全作品読ませて頂きました、懐かしくて涙が出てきちゃいました、紅縁、スクレボ、サバコレぜひとも書いて欲しいです。これからも頑張ってください (2019年10月6日 7時) (
レス) id: a37957c804 (このIDを非表示/違反報告)
mel(プロフ) - みほさん» ありがとうございます。機会があれば書いてみたいなと思っていますが、円盤が出てからになるかと思います。申し訳ございません。 (2018年11月25日 19時) (レス) id: cd9818e417 (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませていただいてます。紅縁のストーリーを小説化してください。 (2018年11月24日 20時) (レス) id: 40d86cc87b (このIDを非表示/違反報告)
mel(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！更新はゆっくりですがまた遊びに来てくださると嬉しいです！お待ちしております。 (2018年9月22日 17時) (レス) id: cd9818e417 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - melさんの作品全部大好きです。また新作の更新常に楽しみにしてます!!無理せず頑張って下さい! (2018年9月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 11be993efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mel | 作成日時：2018年7月30日 23時
