10 睦月始 ページ10
俺は泣いてるこいつを見たことがなかった。いつも隼といるときのAは笑っていて幸せそうで…涙なんて流さないのだと思っていた。
始「落ち着いたか？」
『…ん、ごめんね…始』
始「俺はたまたまお前を見つけただけだ。それ以外は何もしてない」
『…うん』
始「さて…これからどうするか、話をするか？」
『あ、うん。そういえば、グラビはどうしたの？』
俺の持った石がAのいる方向を指した。もともと、俺と春は剣を持った敵と対峙していた。その間に石を持った奴が現れて、グラビの他のメンバーにはそっちの方が安全だと判断し後を追わせた。
始「たぶん、春はグラビのメンバーと合流してるはずだ。だから心配はない」
『そっか…よかった、みんな無事なんだね』
力なく笑うA。こんなに弱った姿…いつも見せないようにしながら生活してるのか。そう思うと俺は近くにいながら、Aのことを見てなかったのだと気付かされた。
始「…お前のそういう姿、初めて見た。隼にはちゃんと甘えられてるのか？」
『…え？始…どういうこと？』
始「俺が知ってるお前はいつも笑っている。けど、今は違う…そんな弱いところも全部、隼には見せられているか？」
『…そう、だよね…こんなわたし、初めて見るよね』
Aは少し俯いて『隼にはもっと甘えてほしいって言われる。だけど、今している甘えがわたしには精一杯…わたしは隼にも始にもたくさん甘えてるよ』と言った。これが彼女の性分なのだというのもよくわかっている。
始「…今は俺に甘えろ。隼には近づけないんだろう？」
『…ん、ありがとう』
始「少し移動するぞ。立てるか？」
彼女に手を差し出し、それを握ったのを確認して引き上げた。
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mel(プロフ) - アニオタさん» コメントありがとうございます！今回も短めの中編になりますが楽しんでもらえると嬉しいです！ルナパのお話とはだいぶ逸れてますがハロウィンの雰囲気を楽しんでもらえると嬉しいです！ (2017年10月27日 22時) (
レス) id: d1e4ab6f45 (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ(プロフ) - わー！！ありがとうございます！夢見草も読んでました！ルナパいきたかった！！あ〜…隼様の血〜…飲みたい…(( (2017年10月26日 22時) (レス) id: 63647246a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mel | 作成日時：2017年10月24日 21時
