明日の天気は雪 ページ10
『いっくん…お茶淹れるけど飲む?』
郁「すみません!気が利かずに…」
『いいの。わたしが飲みたくて淹れるだけだし』
郁「ありがとうございます!あ、でもこのあとすぐ出ちゃうので…」
今日は予定もないしゆっくり過ごそうと思って、プロセラ共有ルームのソファーを陣取っていた。いっくんはこのあと仕事があるみたいですぐにいなくなるみたい。そうなると…
『わー、今日もわたしは隼と過ごさないといけない』
隼「呼んだかな?お姫様」
郁「あ、隼さん。おはようございます」
『ううう、いっくん行かないで〜』
郁「わーー!行きますよ、俺!」
隼「気をつけてね」
いっくんを見送ると隼はなぜか珍しく話をかけて来ない。調子狂うな。
『お茶淹れる?』
隼「ありがとう、お願いしようかな」
わたしがソファーを立ってお茶の準備をしてソファーに戻ると…彼がそこにいた。
『隼、座れないんだけど』
隼「お姫様…僕の膝の上に座ったらいいよ」
『……』
隼「ふふ、困った顔見るの悪くないね。はい、どうぞ」
わたしの分の空間を空けてくれて紅茶を口にする。ふと目が合うと「そういえば…お姫様、ピアスあいてたよね?」と言ってきた。
『うん。隼、一緒に寝るときに必ず取ってっていうから…よく部屋に忘れてるけど』
隼「そうだよね。部屋に置いてあるから、あとで返すね。お気に入りのピアスとかあるのかな?」
なんか今日は珍しく会話になってる。いや、でもこれは警戒するべきなのか…
『えっと…これと言ってないんだけど』
隼「そうなんだね。はい、じゃあこれ」
『え?』
隼「たまたま街で見つけたんだ。似合いそうだと思ってね。誕生日でもないしプレゼントあげるタイミングでもないしって迷っていてね」
隼がわたしの手に置いてきたのは優しいファーのついたピアスだった。
『白田みたいだね』
隼「僕もそう思ったんだ。今度、それをつけてどこかに出かけよう」
『え?』
隼「デートのお誘いってやつかな」
隼は楽しそうに笑った。なんだ、この魔王様…最近、やけに優しい。雪でも降る?
◎
『海、今日…隼の頭がおかしかった』
海「それはいつものことだろ」
『白田みたいなピアスとデートの誘いをいただいた』
海「そりゃよかったな」
『反応が薄い!』
海「そりゃ、恋人同士なんだから…当たり前のことだろ。お前らは当たり前を通り越してぶっ飛んでたんだ」
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来栖陽香(プロフ) - サイコーです!年長さんファンになりました!始さんたちと隼たち関係性最高です!大好きです!これからも応援してます! (2018年4月30日 0時) (レス) id: 2a5ae7d310 (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 明けましておめでとうございます!この作品って続くんですか?楽しみに待ってます!これからも頑張ってください! (2017年1月2日 10時) (レス) id: 4dcfad7029 (このIDを非表示/違反報告)
あらたlove - あぁ、何回読んでも最高にかっこよくて…かっこよくて…ッ!!!なんかもうヤバイですね( ;∀;) カンドーシタ 続きを作って下さるなら、また私の幸せタイムが増えます(笑)いや、マジで← この作品すごく大好きです(*´∀`*) (2016年11月26日 10時) (レス) id: 3c6fe54d3b (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - melさん» 見守りましたよ!ハッピーエンド最高ですね!最後まで読めてわたしは幸せ者ですな!続き期待してます待ってます!! (2016年11月25日 16時) (レス) id: abec577e28 (このIDを非表示/違反報告)
nana×翡翠(プロフ) - 最高のハッピーエンドですね、、、隼くんの誕生日に、こんなにも素敵な文章を読むことが出来てとても嬉しいです笑 (2016年11月24日 23時) (レス) id: 360bf5730a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mel | 作成日時:2016年9月15日 17時