銀世界のbirthday ページ47
『ディナーなしになっちゃったね』
寮の外は銀の世界。野外でロケを予定していたわたしたちは隼の誕生日にめでたくオフにはなったものの…そのあとに予定していたディナーもなしになりわたしは少し気分が落ちていた。
隼「ほんの少し残念」
窓の外を見ていたわたしにすっと寄り添うように隼がわたしのそばに来てわたしの肩を抱く。
『いろいろやりたかったのにな』
隼「いろいろって?」
『あ…えっと、隼と久しぶりにゆっくりご飯食べたり…いろんなこと話したりしたなって…』
隼「あはは、そんなこといつだってできるじゃないか。おかしな子だね、お姫様は」
『違うもん!テーマパーク行ったときみたいに…いつもとは違う感じで…話しがしたかったの』
この日のためにわたしはわざわざ気になっていたホテルのディナーを予約していた。ただ、この様子だと行ったとしても帰りはどうなんだろう…とか、明日の予定に響かないだろうか…とか悩みがある訳で…断念した。
隼「だけど、雪だからお姫様とずーっと一緒にいられるってことでしょ?僕は幸せかな?」
『まあ…1日一緒にいられることってあんまりないもんね』
夜だけ…の予定が1日フリーで隼といられることになったのだ。それはそれで幸せな気がする。だけど、ディナーしか用意してなかったわたしは隼をもてなすこともできないし…どのタイミングでプレゼントを渡していいのかもわからない。
『隼?』
隼「どうしたのかな?」
『ディナーの時に、誕生日プレゼント渡そうと思ってて…まさかこんなことになるとは思わなくて…おもてなしできなくて本当にごめんね』
隼「…ふふ、」
『何?』
隼「Aと一緒に1日いられる誕生日なんてそんな幸せなことないよ。なんて言ったら前みたいに怒られてしまいそうだけど、僕は今この時間が一番幸せだよ。ほら、こっち向いて」
そう言われて隼のきれいな顔を見つめれば、隼の柔らかな唇がわたしの唇に触れて優しいリップ音を奏でる。
『…今日は何度キスしても許してあげる』
隼「んー、どちらかというとキスはお姫様からしてほしいな」
『注文が多いな』
隼「あ、それから」
『ん?』
隼はわたしをぎゅっと抱きしめた。
隼「…ごめんね、A。少しだけ、心臓の音が早くなっちゃってる」
『…え、あ…本当だ…』
いつもより隼の奏でる鼓動が早い。そして…少しだけ体温が高いのもわかる。珍しく隼が緊張している…?
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来栖陽香(プロフ) - サイコーです!年長さんファンになりました!始さんたちと隼たち関係性最高です!大好きです!これからも応援してます! (2018年4月30日 0時) (レス) id: 2a5ae7d310 (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 明けましておめでとうございます!この作品って続くんですか?楽しみに待ってます!これからも頑張ってください! (2017年1月2日 10時) (レス) id: 4dcfad7029 (このIDを非表示/違反報告)
あらたlove - あぁ、何回読んでも最高にかっこよくて…かっこよくて…ッ!!!なんかもうヤバイですね( ;∀;) カンドーシタ 続きを作って下さるなら、また私の幸せタイムが増えます(笑)いや、マジで← この作品すごく大好きです(*´∀`*) (2016年11月26日 10時) (レス) id: 3c6fe54d3b (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - melさん» 見守りましたよ!ハッピーエンド最高ですね!最後まで読めてわたしは幸せ者ですな!続き期待してます待ってます!! (2016年11月25日 16時) (レス) id: abec577e28 (このIDを非表示/違反報告)
nana×翡翠(プロフ) - 最高のハッピーエンドですね、、、隼くんの誕生日に、こんなにも素敵な文章を読むことが出来てとても嬉しいです笑 (2016年11月24日 23時) (レス) id: 360bf5730a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mel | 作成日時:2016年9月15日 17時