束の間の2人の時間 ページ29
隼「お姫様…」
『何、うるさい』
隼「なんと今日は僕とお姫様の待ちに待ったデート!」
『…そう』
隼「テンションは低いけど、しっかりばっちり某テーマパークの本を持ってるところを僕は見逃さないよ〜」
るんるんしている魔王様。随分前にデートの約束をしてから、いろんな理由で来れてなかったんだよね。しかも、今日も思ったより前日の仕事が長引いて6時から入れる券でテーマパークに来ていた。本当は朝からしっかり来たかったんだよなとか思ったりしたんだけど。
隼「ほら、僕たち一応アイドルだし…夜くらいの方が誰にもバレなくていいのかもね。はい、手貸して」
『え…?』
隼「デートと言ったら手繋ぐでしょ?夢だったんだよね、テーマパークでお姫様と手を繋ぐの」
隼はそう言ってわたしの左手を奪い去る。少しだけ冷たい温もりがわたしの左手を包み込んで、さらに隼が右手につけている指輪を感じて嬉しくなった。
隼「あ、お姫様!あれみたいな」
そう言って彼は今までみたことのない世界にワクワクしているようで、ぐんぐん前に進んでいく。
隼「これこれ。お姫様見てたよね」
『あ、いや…』
そう言って隼がわたして来たのは優しい色をしたくまのぬいぐるみ。そう、ずーっとほしいなって思ってたやつ。
隼「あ、女の子のくまさんもいるんだね。お姫様にはどっちがいいかな?あ、ねこさんもいるんだね」
隼はあれこれ全部持って来てしまって、楽しみにしていたのがわたしだけじゃなくて少しだけ安心した。楽しそうにしている彼の横顔を見ると少年みたいでわたしも嬉しくなった。
『ふふ、隼。すごく楽しそう』
隼「はしゃぎすぎてること、僕も感じてる。けど…それくらい嬉しくて楽しいんだ」
2人で真剣にぬいぐるみを選んで、結局ペアになっていたくまさんの男の子と女の子をお迎えした。
隼「ほらほら、お姫様。こっち向いて」
彼がわたしのことをぐっと引き寄せて来て、ぴたりと頬がくっつき合う。その瞬間に押されたスマホ。胸焼けがしそうな程甘い写真が撮れてしまった。
隼「次は何しようか」
隼は何やらスマホを操作した後にまた手を握って歩き出す。デートはまだまだ始まったばかり。
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来栖陽香(プロフ) - サイコーです!年長さんファンになりました!始さんたちと隼たち関係性最高です!大好きです!これからも応援してます! (2018年4月30日 0時) (レス) id: 2a5ae7d310 (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 明けましておめでとうございます!この作品って続くんですか?楽しみに待ってます!これからも頑張ってください! (2017年1月2日 10時) (レス) id: 4dcfad7029 (このIDを非表示/違反報告)
あらたlove - あぁ、何回読んでも最高にかっこよくて…かっこよくて…ッ!!!なんかもうヤバイですね( ;∀;) カンドーシタ 続きを作って下さるなら、また私の幸せタイムが増えます(笑)いや、マジで← この作品すごく大好きです(*´∀`*) (2016年11月26日 10時) (レス) id: 3c6fe54d3b (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - melさん» 見守りましたよ!ハッピーエンド最高ですね!最後まで読めてわたしは幸せ者ですな!続き期待してます待ってます!! (2016年11月25日 16時) (レス) id: abec577e28 (このIDを非表示/違反報告)
nana×翡翠(プロフ) - 最高のハッピーエンドですね、、、隼くんの誕生日に、こんなにも素敵な文章を読むことが出来てとても嬉しいです笑 (2016年11月24日 23時) (レス) id: 360bf5730a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mel | 作成日時:2016年9月15日 17時