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「……もう夜遅いから、そろそろ寝ようか?」

……まただ。
もっと一緒にいたいのに、ヒョンはいつもこうやってすぐに終わらせようとする。

「…………わかりました」
渋々了承したものの、不満そうな顔をしている自覚があった。ハンビニヒョンは困ったような笑みを浮かべて僕を抱き寄せる。
「そんな顔しないでよ。明日も朝早いんだし、早く休まないとダメだよ」
諭すように言われれば何も言えなかった。ヒョンはずるいと思う。こうしていつも言いくるめられてしまうのだ。僕は小さく息をつくと素直に従うことにした。まだ眠たくないけれど、これ以上我を通すわけにもいかない。
「……はい」
少し拗ねた口調になってしまったけれど仕方がない。

(もっと一緒に居たいのに)
心の中で小さく呟いた。でも、これを口に出したらきっとヒョンを困らせて、迷惑をかけてしまうことになる。それは嫌だった。本当は、もっとヒョンに触れたいし、触れられたかった。キスもハグももっといっぱいして欲しい。それ以上のことだって、たくさんしたい。だけど、それと同じくらいヒョンの邪魔をしたくないとも思っている。
それに、もっといっぱい触ってほしいなんて言ったら、引かれてしまいそうで言えない。ヒョンに嫌われるくらいなら、我慢できる。
寂しいのは辛いけど、それでも、好きな人の重荷になることだけは絶対にしたくなかった。

「おやすみなさい、ハンビニヒョン」
「おやすみ、マシュー。いい夢見てね」
そう言って額に落とされた口付けに、心の中でため息をついた。

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作者名:ann | 作成日時:2023年5月31日 22時

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