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「あー……つまり、マシューはその……ハンビンとセッ……」
「わああ！！言わないでください！！」
大声で遮られたため口を閉ざす。マシューは両手で顔を覆うとその場にしゃがみ込んでしまった。
マシューとハンビンが付き合っていることは知っていた。というよりメンバー全員周知済みである。俺は直接マシューやハンビンから相談を受けたことのある身なので2人の関係を知っているわけだが、この2人は恐らく互いの関係を他のメンバーに公言はしていない。
「なんで俺に相談しようと思ったわけ？」
マシューの隣に腰を下ろし、率直に疑問をぶつけてみると、マシューは指の間からちらりと目を出して答えた。
「僕とハンビニヒョンが付き合ってること、ジウニヒョンしか知らないんです……。それに、ジウニヒョンが一番年上だし、そういう経験豊富そうだなって思って……」
多分全員知ってるよ。というツッコミは飲み込むことにした。隠し通せていると思っているらしいし、下手なことを言って藪蛇になっても困る。まあ確かに、メンバーの中では一番恋愛事に長けているのは俺かもしれないけど。でも、メンバーからの相談事がまさかこんな内容だと誰が思うだろうか。
「うーん……ちなみにいつ頃から？」
「1ヶ月くらい前からですかね……」
マシューの話によると、そういう雰囲気にならないということでは無いらしい。マシューが積極的に誘えば応じてくれるようだし、キスだってしてくれるとのこと。ただそれ以上の行為となると全くと言っていいほど進展がないのだと言う。
「そういう行為だけが愛の形だとは思いませんけど……でもやっぱり、僕はもっとちゃんとした形で愛されたいんです」
切実に訴えてくるマシューの気持ちはよく分かった。俺も同じ立場だったら同じように感じていただろうから。
「……ハンビンにそれとなく聞いてみるよ」
「うう〜……、ジウニヒョン…ありがとうございます〜」
情けない声を出しながらマシューは立ち上がった。まだ少し赤い頬を緩ませて嬉しそうにしている。
「それで……その……このことは……」
「分かってる。誰にも言わないから」
「はい…！よろしくお願いします！」
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作者名：ann | 作成日時：2023年5月31日 22時
