【d!】夢日記。 (ページ4)

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しばらく歩いてようやく自分の部屋がある階に着いた。流石に午前2時30分を過ぎて眠くなってくる。見回りの兵士もメイドもこの時間には寝静まっていて月明かりだけが照らす廊下には人影ひとつない。いくら見慣れた景色でもどこか不気味に感じるというか、自分の知らない場所にような気がしてくる。暗闇に吸い込まれてしまいそうな意識を引き戻したのはすぐそこにあるコネシマの部屋から聞こえてくるいびき。いつもならため息のひとつでもつくがなんだか今日は妙に安心した。

「ん？Aこんな時間になにしてるん？」
「ｯｯびっくりしたぁ...なんやトントンか...」
「いや目の前歩いて来たやろ気付かんかったん？」
「ぇ全く気付かへんかったわ、疲れとるんかな」

音もなく目の前に現れたトントンに思いっ切り心臓が跳ねる。目の前から来とることに気付かなかった自分に驚く。

「なんやA寝てないん？はよ寝ぇやお前朝弱いやろ」
「出た、おかん。てかトントンこそ何してるん？」
「おかんちゃうわ。別になんもしてへんよ、」

「じゃあ部屋戻るな、Aもはよ寝るんやで」とだけ言ってトントンは奥の部屋に消えていった。何か変やなとは思うけど追求するほどのことでもないかと思い自分の部屋のドアノブを捻る。相変わらずコネシマのいびきが聞こえてくるけど今日は耳を塞ぐ気にもならずいびきをBGMにベッドに沈む。
冴えてしまった目を無理矢理閉じ寝具に顔を埋める。脳裏に先程のトントンとの出来事が過ぎるがどうせ疲れているだけだし、トントンだって深夜テンションか何かの類いで変に感じただけだろうと思い考えすぎないように羊でも数える。
カーテンを閉めていない窓から差し込む月明かりに背を向け眠ろうと試みるも数十秒もすれば勝手に目が開いて眠れたもんじゃない。ごろごろ、と何度も寝返りを打ったり縮こまったりと試行錯誤を重ねてもその結果は虚しく余計に目が冴えていくだけだった。
もう何回目かも忘れたが液晶端末の画面は午前4時半を示していて空も白み出している。ただでさえ朝起きれんのにこんな時間になっても寝れんとか最悪や、と心の中で悪態をつき半ばヤケクソで布団に潜れば今度は自然と瞼が落ちてきた。

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