ろまんすぶろーかー ページ22
「あﾞー…こんな夜中に呼び出してなんなんや…」
さて布団に入ろうかなとベッドに腰掛けた瞬間インカムが鳴り、うんざりしながら返事をすれば我らが総統のグルッぺンで軽く殺意が沸いた。総統に対してこの態度でいいのかと問われれば他国なら問題なんやろうけどここではこれがデフォだから大して問題はない。…まぁさすがにこの態度とはいえ総統のお呼び出しに逆らうわけにもいかず渋々部屋から出る。
というか普通に時間を考えて欲しい。起きてるとは言え終業時間もとっくに過ぎているし隣の部屋からはいびきが聞こえるような時間だ。
心の中で吐いていた悪態は声に出ていて静かな廊下にグルッぺンへの悪口が響く。いそいそと廊下を歩き無駄に私の部屋から距離のあるグルッぺンの部屋を目指す。
相も変わらず深夜には気味の悪い廊下やな、と思っていればようやく威圧感の半端ない扉の前に着く。他の奴らだったらノックせんで勝手に開けるけど一応グルッぺンだしノックしとこ。
夜中に呼び出しやがって、という腹いせを込めてわざと強くノックすれば馬鹿にしたような笑いを含んだバリトンボイスが返ってきた。
扉を開ければこちら側には背を向け座っているグルッぺン。金髪に月明かりが反射して悔しくも様になっている。
「随分とご機嫌ななめだな、A」
「お前のせいや」
「相変わらず俺には当たりが強いな」
「………で？何の用」
グルッぺンの発言を無視して本題に入る。自分で呼び出したくせに自分からは何も言わんとかほんまめんどくさい奴やで。半ば喧嘩腰な私を見て心底面白そうに笑うグルッぺンをジトーっと見る。
「そう焦るな。呼び出したのは俺が暇だったからだゾ」
思わずふざけんなと口から飛び出そうになるのを堪えてとりあえず睨む。こんな夜中に呼び出して何かと思えば暇だったからとか舐めとんのかこいつ。
「は？それだけ？じゃあ帰るで私」
「まぁ待て、お前明日任務ないし暇やろ？」
「暇やからって構ってもらえると思うな」
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作者名：いちのせ | 作成日時：2024年3月7日 4時
