【d!】夢日記。 (ページ21)

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縋るような瞳で見つめてくるもんだからそれに応えるように無意識に何度も頷く。するとようやく安心したような顔で多少表情も柔らかくなってこっちも安心する。

｢ほんまにどうしたん？らしくないやん｣
｢…あまりにも夢がリアルすぎて、分からんくなってしもた｣

あんまり神妙な面持ちで言うもんやからほんまに夢と現実の判断出来んくなってるんやなとトントンや大先生とかから聞いた話も思い出す。夢を見てる自覚はあるのに分からんくなるって相当やない？
Aさん曰く今日は俺が夢に出てきて「最近おかしいけど自覚ないん？」って詰められたらしい。それで起きたら俺がおるし同じようなこと聞かれて焦ったんやと。

「やだなぁ、俺がそんなAさんに詰め寄るわけないやん。そんなんしたら返り討ちにあうし」
「喧嘩売っとんのかチーノ」

呆れたような顔をしつつ薄く笑うAさんにいつもの調子に戻ってきたなと口角が上がる。どうせA
さんには胡散臭いってまた言われるんやろうけど。

「調子戻ってきたやん、やっぱりAさんは口悪ないと」
「ほんまにお前ぶん殴るで…」

はぁ、とクソデカため息をつかれる。ため息をついてる割には嫌な顔してへんしむしろ少しは楽しそうな顔で心底ほっとする。

「けどほんまに1回ペ神のとこ行ったらどうなん？」
「…こんなんで行ってもペ神忙しそうやしあれやな思て」
「Aさんがぶっ倒れるよりマシやと思うけど」
「まぁええねん、元気やし」

元気だと主張するAさんの顔色は先程の死人と勘違いするような蒼白さはなく最近見慣れた「顔色悪いなぁ」くらいまで戻っていた。案外ケロッとしとるし大丈夫なんかな。

「…てかチーノ結局何しに来たん？」
「あぁせやせや、仕事のことで聞きたいことあってん」

仕事のことを聞けばすんなり答えてくれてあっさり用も済む。「他に用ある？」と聞くAさんに横に首を振れば「じゃあ帰った帰った」と退出を促される。ここで長居したら今度こそぶん殴られそうやから大人しく部屋を出る、というよりかはつまみ出された。