【d!】夢日記。 (ページ16)

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｢…乗ります？後ろ｣
｢…はぁ？…え本気で言うてる？｣

少し考え込むような仕草を見せたあとなんと後ろに乗るかとお誘い。ショッピ熱でもあるんちゃう？いつもなら絶対乗せてって頼んでも乗せてくれへんし乗るかなんて聞いてこぉへんのに。

｢本気ですけど、乗らないなら置いていきますよ｣
｢嘘嘘、乗る乗せてください｣

本気で置いていきそうなショッピを引き止め小脇に抱えたままだったヘルメットを被る。ショッピがバイクに跨ったのを確認してから後ろにお邪魔する。人のバイクの後ろに乗ることも乗せることも滅多にないもんだから新鮮な気持ち。

｢…ちゃんと捕まってないと吹き飛ばしますよ｣
｢え何、イケメンやんなしたん？熱？｣
｢振り落とされたいんすか？｣
｢ごめんやん｣

冗談半分でおちゃらけてたらマジな目をして言うもんだから冷や冷やする。ほんまに落とされかねへん大人しくしとこ。
夜も遅いのもあってかそれなりにスピード出してんなこいつ。頬を切る夜風がなかなか冷たい。

｢Aさん行きたい場所とかあります？｣
｢んー、せやなぁ…海とか？｣
｢うわ、死ぬ気みたいで嫌っすね｣
｢聞いといてなんやねん、夜の海にロマン感じられへんショッピの方が嫌やわ｣

ライダースジャケットとヘルメットの後頭部しか見えへんからどんな顔してんのかは知らんけど心底嫌そうな声音で返答してくるショッピ。自分から聞いといて嫌はないやろ失礼な奴やでほんま。

｢…まぁ行きたいとこもないですししゃーないから海行ったりますよ｣
｢はいはいどーも、前見て運転せぇや｣

わざわざめんどくさそうな顔で振り向いてくるな。上から目線なのは気に食わないが乗せてもらってる身が故何も言えへん。
その後は特に会話することもなくぼーっとショッピにしがみついていたら気付いたら海やった。別に海まで来てもカップルでもあらへんしわざわざ水まで入って水かけ合うとかそんなこともなく数分海を眺めて終わった。

｢…帰るか｣
｢…そうっすね｣

再びバイクに戻りショッピに掴まる。夜も遅いし地味に海から城までは長くて後ろに乗ってるだけだと眠くて仕方がない。まぁ寝てもショッピなら帰してくれるやろと思ってそのまま瞼を閉じる。ショッピの体温は温かくて月並みな感想やけど安心感がすごい。

｢…はぁ…ほんま困った先輩や…｣

ショッピのため息が聞こえた気がしたけど聞こえなかったふりをして一旦眠ることにした。