馴化 ページ21
JK「俺はラーメン食べるけど、早く買い物済ませてよね」
なぜ私はチョン・ジョングクにおにぎりをねだられ、買い物まで急かされているのか。
あと、また私の個人情報がソクジンさんによってバラされていることが判明して、あの人に相談するのはやめようかと思い始めた。
にしてもチョン・ジョングク。
その可愛さ、ちょっと分けてくれないかな？
そんなことを考えているうちに店員さんがレジカウンターに戻ってきたので、さっさとペンのインクと適当なおにぎりを手に取る。
レジで精算を終わらせてチョン・ジョングクの元にいくと、テーブルに肘をつきながらスマホを眺めていた。
「え！？もうカップ麺食べたの！？」
JK「うん？だって麺なんて飲み物じゃん」
「いや飲み物じゃないよ……」
チョン・ジョングクはケラケラと笑いながら私の手からおにぎりをヒョイッと取った。
JK「おにぎりありがと。あ、結構好きな味だ」
「ああ、うん、それはよかった」
JK「じゃ、帰ろ。家どこら辺？」
「うん……ん！？ちょっと待って！？」
JK「え、なに？」
怪訝そうな顔でこちらを見るチョン・ジョングク。
だって前提がおかしいんだもの。
「……なんで一緒に帰ることになってるの？」
するとチョン・ジョングクはため息をつきながら言葉を続ける。
JK「ハナさ、今何時だと思う？もう深夜1時だよ？そんな時間に女性一人で夜道を歩かせるワケにはいかないじゃん」
「いや私は大丈夫だよ！むしろジョングクのほうが危ないんじゃない？最近の不審者は男女関係ないし」
普通の女の子なら、こういうシチュエーションに胸キュン必至だろうけど、色々ありすぎた私にとってはもうお腹いっぱい。
どうしても一人で帰りたいがために、自分でもよくわかっていない言い訳をしてしまった。
それを聞いたジョングクは「ふうん」と適当な相槌をしつつ、訝しげな表情を浮かべる。
あ、やばい。疲れすぎて返事を間違えたかも？とか思っていたが、彼はそのままのテンションで答えた。
JK「じゃあハナが俺を送ってくれればイイじゃん」
「え！？な、なんでそうなるの！？」
JK「いいから、ほら！早くしてハナ！」
「うわあ……ほんっとに馴れ馴れしい……」
若干パニック状態になった私の背中をグイグイ押しながらコンビニから出る。
もうどうにでもなれ！という気持ちの私は、ジョングクと帰ることになってしまった。
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作者名：ゆりこ | 作成日時：2022年10月12日 12時
