事実とは ページ18
「というか、なんでテヒョンはこんなところに？」
TH「バーで友達の誕生日会してた〜」
「おお……おしゃれ……パリピじゃん」
TH「パリピじゃないよ！俺はコーラしか飲んでないし！」
他愛もない話をしながら暗い夜道をテヒョンと一緒に歩く。
TH「逆にハナは何してたの？こんなトコでこんな時間までさ」
「ちょっと新しいネタを貰いに、ね」
TH「ああ〜……あのクラブ行ってたんだ」
「そ！それもSire_Nのイ・サラから」
TH「え！？マジかぁ……なんで？」
私は先程まで聞いた話をテヒョンに伝えて、カメラマンとして今回の件について依頼をした。
「ということなので、テヒョナにはチョン・ホソクと仲睦まじげに歩く女性を追って撮って欲しい」
TH「ほほう……わかった！しっかりくっきり撮るね」
「対象のスケジュールは調べて送るし交通費もいつも通り出すから、いい感じのお写真お願いします」
TH「おっけー！ちょうど個展の費用が足りなくて困ってたんだ〜」
テヒョンは呑気に言ってくれたけど、私は正直助かった。
彼のタイミングが悪いと代わりのカメラマンにお願いしなくてはいけない。それも、あのタヌキ編集長を通して。
過去に一度、テヒョンとスケジュールが合わなくて代理カメラマンにお願いしたけれど、全部編集長に筒抜けで。書きかけだった原稿も勝手に改悪されたから信用できないのだ。
それ以来ずっとテヒョンに頼り切りになっている。
「あ、あとチョン・ホソクとイ・サラのツーショも撮って欲しい」
TH「……それは資料用？」
「うん。だって今の私はイ・サラの視点でしか物事を把握できてないんだもの」
TH「おお、ホントにハナはナムジュニヒョンみたいに仕事をするね！」
ニコニコと笑いながら私のほっぺをつつくテヒョン。
つつくのだけはやめてほしいけど、こうした素敵な人たちが近くにいるから8年も続けられているんだなとしみじみ感じた。
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作者名：ゆりこ | 作成日時：2022年10月12日 12時
