彼女の愛は屑籠の中【JK】 (ページ2)

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彼女の過去ページ2

ノ・ハナ。当時１６歳。
夢は恋愛小説家になること。

小学生の頃から色々なジャンルの恋愛小説を読んでいるからという理由で、友人やクラスメイトの恋愛相談を受けていた。
もちろん現実は小説通りにいかない。でも好きな人のために変わろうとしたり、失恋をしたことで強くなったり。
そういった人の“新しい一面”が生まれる瞬間に感化されて、自分でも恋愛小説を書いてみたい！と思ったのがキッカケだった。

初めて書いた小説は拙い文章だったけれど、友人たちにはウケて「また新しいヤツも読みたいな！」と本当に楽しみにしている様子で言ってもらえた。
単細胞な私は褒められると調子に乗ってしまうタチで。
新しいのを書いては友人に渡して満足している間に、友人がクラスメイトや他クラスの子、果てには先生方にまで私の小説をオススメして渡っていた。
結果、国語の先生が私の小説を推敲・校正して赤ペンで修正したものを入れて返してくれたときはビックリした。

それからは先生に手助けしてもらいながら創作活動を続けていた高校２年の夏。
先生から「試しにコンテストに出してみないか？」と言われて、ダメ元で応募してみた文学コンテストで青少年部門で入賞し、学校でも表彰された。
そのせいで一時期、同じ学校の生徒に『ハナ先生』と呼ばれてたり。

ここで思い出してほしい。
私は“褒められると調子に乗ってしまう単細胞”だということを。

高校３年の春のことだった。
駆け出しの出版社の者だと名乗る人から「うちで連載小説を書かないか？」と誘いを受けた。
当時からこの世が学歴社会だということは知っていた。だけど、天狗になっていて脳内お花畑だった私は、いとも簡単に悪い大人の甘い話に乗ってしまったのだ。今思えば、とてつもなく怪しかったのにも関わらず。

結果、甘酸っぱい恋模様を描く小説家……ではなく、人様の熱愛報道をすっぱ抜く三流ゴシップ誌のライターになってしまった。
……ま、自業自得だね。