四話 ページ6
少し前まで、私はこんなぐっしょり濡れた服で動くのかと思い、少し不安だった。
だが、その不安は直ぐに拭われた。
階段を上って水から上がると、服が置いてあった。
しかも、その服は…
カエデ「これ…!アニメ『魔法変身☆夢美ちゃん♪』のビューティドリームの衣装…!」
思わぬコスプレ衣装の登場に私はただただ驚くしかなかった。
カエデ「と、とりあえず着替えよう…着替えていいんだよね…?」
濡れた服から着替えると、私にピッタリサイズだった。
カエデ「ピッタリサイズって…ちょっと怖いなぁ…私がコスプレと夢美ちゃん好きっていうのもわかってるっぽいし…」
ついでに武器になるようなステッキも付いていた。
カエデ「おお…なんという再現度…」
ステッキを手に持ち、そこの部屋からも出る。
カエデ「わぁ…カギ開いてるんだ…」
ドアを開けると、真っ暗な廊下が続いていた。
カエデ「『私は大丈夫!だって私には誰にも負けない勇気があるもの!』…」
自分を勇気づけるために夢美ちゃんの名言を呟く。
カエデ「『私は負けない!この真っ黒な世界を変えるん』うわあああああああ!?」
他の名言をつぶやいているときに、私の足が地面から浮いた。
カエデ「え?え?やばくない!?死ぬ!?私死んじゃうの!?」
怖さを少しでも紛らわせるように叫ぶ。
カエデ「へぶ!?」
クッションのようなものに勢い良く落ちる。
カエデ「い、痛い…」
体の痛いところを抑えながらゆっくり立ち上がる。
カエデ「はぁ…もう帰りたいんだけど…」
他に行くところもないので私は真っ直ぐ歩いて行く。
カエデ「…え?」
私はそこで有り得ないものを見た。
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