サボりとメロンソーダ【zm】 (ページ6)

今日:36 hit、昨日:2 hit、合計:16,341 hit

5本目ページ6

「およ、」

「っ、え」

入学式の時に見た緑のパーカー。噂のヤンキーさんである。
珍しくフードを外していたようで、とても端正な顔立ちが見えた。
あらまぁイケメンなこと。

「..................」

挨拶した方がいいのかな？
ヤンキーは怖いし関わらない方がいいかな。

「ぁ、あ、あの、ぇ......と、こ、これ、」

めちゃくちゃ吃りながら何かを差し出してきた。
見慣れた緑色のパッケージ。ボトルの所々に炭酸の気泡がある。

「メロンソーダ！！」

メロンソーダをパーカーさんを何度も見比べていればずい、とメロンソーダを押し付けてくる。

「え、え、」

「.........ぁ、げる、ので...」

「...く、くれるんですか？ありがとうございます」

こく、と頷き早足で自販機から離れていくパーカーさん。
1回も授業出てるの見たことないし、やっぱどっかに行ってるのかな。屋上とか？ありがちだけど。

もらったメロンソーダは若干結露し始めている。
ハンカチで軽く拭いてから鞄に入れ、教室へ向かおうとまた足を進めながらスマホを取りだしてお気に入りの曲をかけた。
ワイヤレスイヤホンの充電が放課後まで持つかな。