サボりとメロンソーダ【zm】 (ページ42)

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side zm

春も過ぎ、初夏に差し掛かる前のそよ風が吹く。ボケーッと空を見つめながらふと浮かんだ疑問を自分の中で考える。

｢俺やっぱ生きてるん向いてなくね？｣

はい唐突な病みと今朝の行動振り返りの時間です。
朝起きて飯食って歯磨いて学校来ました、んで教室入ったら柊さんがスマホいじいじしてた。めっちゃ横顔可愛かった。
…じゃなくて、今日の俺の挨拶よ、挨拶。
なんやうすって。やる気あんのかまじで。野球部かよ。
て、ていうかやで？
先週ロボロがあんなこと言って俺はどんな顔して柊さんと会えば良かったんや？

｢はぁぁぁ……………｣

出るのは良いアイデアではなくため息ばかり。
まじ生きるの向いてなさすぎる。
ふと目についた鞄から見えるメロンソーダ。
手を伸ばしてメロンソーダを手に取り、キャップを開ける。
甘ったるい人工的な味と爽やかな炭酸。

柊さんが、好きな味。
甘すぎるのは好きじゃないけど柊さんが好きだから、なんて子供みたいな理由で飲めるメロンソーダ。持ってたら柊さんが少しでも俺の事考えてくれるかな、とか考えて買ったその日に柊さんに会って渡した記憶がある。
柊さん可愛かった、なんか間抜けな声出してたけどそこも可愛ええんよな。

｢………ふ、ぁぁ…ねよ………｣

暖かい日差しに眠気を誘われ、そのままゆっくりと目を瞑る。春終わりのこの空気が好きだ。
柊さんの夢とか、見れるとええな。
ゆっくりと意識を手放して、手から滑り落ちたスマホをも気にせず寝入った。