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○green side○

変わらないなぁ…


目が覚めたら、至近距離に丸ちゃんの顔。


長い睫毛。
まるっこい鼻。


昨夜、何度も触れた…くちびる。


夢やないんやなぁ。



いつの間に起きたんやろか、少し濡れた髪から
いつもと違うシャンプーの匂い。

俺とおんなじホテルのガウン着て眠ってる。

少しはだけた胸元…

そこが思ったより柔らかいって知ったのは昨夜。


丸ちゃんは覚えてるんやろぉか。


「んぅぅぅ…。たちょぉ?」


むにゃむにゃ動くくちびる。


「丸ちゃん、そろそろ起きんと」


ほっぺたをツンとつつくと、へにゃぁっと笑う。


「いややぁ。まだねむたい」

「寝てもええけど、会社、休む言うてたやろ?連絡せな」

「んー。やすむぅ、ゆーきゅーつかうぅ」


グリグリと俺の胸にオデコ擦り寄せた。


平仮名で喋る朝の丸ちゃん。

甘ったれでふわふわしてて。
いつもとなんも変わってなさそで違う…



「おはようのちゅうして」



そないなこと、言わんかったやんか。

渋谷と付き合うようになってからはずっと。


「ちゅうしてくれな、おきられへん」


顔上げないままねだるから、頭のてっぺんに


ちゅっ


音たててくちづける。


「ん。おきる。でんわ、する」


こっちは見ぃひんまま、ベッドから抜け出した。



よそいきの声と丈の短いガウンから覗く脚。
平仮名が漢字に変わって、急に艶かしく見える。


…ありがとうございます。
…失礼します。



堪らなくなって
電話を切った丸ちゃんを後ろから抱きしめた。



「丸ちゃん…」


「なぁに?たぁくん』


また平仮名に変わる。


「お腹すいた」


ホントに言いたいことは違う言葉やのに。


「あさごはん、たべてかえろか」


「…ん。帰りたない」


「アカンよ、オカンにしばかれる」


「せやね…心配しとった」


「でも…」


「うん…」



腕のなかで丸ちゃんがこっちを向いた。
俺を見上げる目がゆらゆらと揺らいでる。



「…でも」


お互い同じこと思ってる。

だけど口から出たのは


「帰ろ、丸ちゃん」





…臆病な俺。

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さやか(プロフ) - はじめまして。いつもめろんぱんさんの作品を楽しく見させていただいております!!多くの作品にパスワードを付けていらっしゃると思うのですが、もうめろんぱんさんの作品は読むことができないのでしょうか、、、 (7月12日 16時) (レス) id: dd61441407 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - めろんぱんさん» なんやねーん。ズルないでぇ (2020年9月24日 19時) (レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - くぅう かよさんずるい (2020年9月24日 18時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - さやさん» こちらこそありがとうございますーー!!!! 双子の名前まで考えてました。楽しすぎました。みんな幸せでよかった。。。 ありがとうございます!!!!! (2020年9月24日 18時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 素敵なお話が出来てる……弟が居て双子まで…なんて幸せ!!そして私の大好きな画像をここまで広げてくださりお二人には感謝です!ありがとうございました(^^)みんな幸せ!! (2020年9月24日 16時) (レス) id: 806d5009ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めろんぱん/cayochi x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年8月9日 8時

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