legato.【日】 ページ4
『日本さーん!』
そう言って此方へと駆け寄って来るのは、まだあどけない顔立ちのAさん。
『今日はね、テスト百点取ったんだー!』
まるで幼子のように嬉々とした表情で話す彼女は、こう見えても高校生。
この前までは中学の校則で飾り気のなかった彼女が、最近では近くに寄る度にふんわりと、香水の香りがする。
それでも変わらずに、毎日下校途中にある私の家に寄って来て、夏の木漏れ日が眩しい縁側で、お茶とお菓子を摘まみながら話している。
『…でね、うちの学校が試合に勝ったんだよ!』
テニス部に入ったらしい彼女。
運動はそれほど得意ではなかった筈なのに。
『…学校生活、楽しんでいるようですね。』
『…うんっ!』
私はこれまでに、幾度も人の一生を見てきた。
起業に成功した者、手首を切り裂いて自ら命を絶った者、結婚して幸せになった者、なんの出来事も起きず、ただただ平凡な毎日を繰り返してきた者。
彼女はこれから、どんな人生を歩むのでしょうか。
…出来る事ならば、私は、貴女を守りたい。
こんなに情が移ってしまったのは、彼女が初めてかもしれない。
彼女には、不幸になって欲しくない。
『…Aさん。』
『…?』
『…これは、私と貴女との約束です。』
『…やく、そく?』
不思議そうに首を傾げる彼女。
『…辛くなったり、悲しくなったら……
いつでも、此処に来て下さいね。
この約束、破ってはいけませんよ?』
あまり深く意味を理解していなさそうな彼女も、想いが通じたのでしょうか。
『うん、わかった。
約束する。』
強く頷いてくれました。
まるで孫のような、妹のような、愛らしい貴女に。
私は惹かれていってしまったようです。
貴女は、私が守ってみせる。
【legato(レガート):滑らかに】
__♪___♭____♪_______♯
♪追記♪
唐突にやって来ましたリンアです。
つい先日作ったのにも関わらず、
お気に入りに登録して下さった方がいらっしゃり…
もう、感無量です。ありがとうございます!
よろしければ、そのまま下にスクロールして…
お星さまに触れて頂ければ…((殴
はい。すみません。
こんなgdgdな作者ですが、暖かい目で見守って頂ければ幸いです。
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作者名:リンア@ヘタリア依存症 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aphmjlove/
作成日時:2016年10月12日 9時