【ハイキュー】可愛くなれたら＊及川徹 (ページ3)

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「Aさんおっはよー！」
「お、及川くんおはよう」
下駄箱で靴を履き替えていると朝から元気な及川くんに会った。
靴を履き替えて教室に向かおうとすると及川くんも着いてきた。
これは教室まで一緒に行く流れなのだろうか。
「…あれ」
「ん？Aさんどうかした？」
「あ、いや、もしかして足痛めてるのかなって」
何となくいつもと歩き方が違うような、庇っているような気がした。
及川くんはキョトンとしている。
「ご、ごめん気のせいかも」
「よくわかったね！？昨日部活でちょっとひねっちゃったんだよねー」
「大丈夫？」
「今日部活前に病院に行くし大丈夫！それにしても気づくなんてAさんすごいねー！俺のことよく見てる！」
「え！？そ、そんな見てないよ！」
「冗談だって」と及川くんは笑っていた。
「あっ！及川さーん！」
「及川先輩おはようございます！」
「あの、お弁当作ってきたのでお昼一緒にどうですか！？」
一緒に歩いていたら及川くんはあっという間に女の子に囲まれてしまった。
私はまるで最初からそこにはいなかったかのように蚊帳の外だ。
「みんなおはようー！嬉しいんだけど今はちょっと…ってあれ？Aさん？」
その場にいたくなくて私は早足に教室へと足を進める。
あの子たち、お化粧も軽くしてて髪の毛もアレンジしてて朝から頑張っているんだな。
私はと言うとクシで整えてサイドに2つ結んだだけ。
お化粧なんてしたこともない。
こんな私が及川くんの隣にいたら不自然だし不釣り合いだ。
陰キャは陰キャらしく大人しくしていよう。
「あ」
「え？」
目の前には松川くんがいた。
松川くんとは前に同じクラスで委員会も一緒だった。
「おはよう松川くん」
「おはよう。A、及川知らない？」
「及川くんなら向こうで女の子に囲まれてたよ」
「またかよ……どした？元気ない？」
「ううん、なんでもないよ！元気！」
私はガッツポーズをして見せた。
「ふっ、ならいいわ」
松川くんは私の頭をポンポンと優しく叩いた。
時々こうして頭を撫でたりしてくるのがお父さんみたいだなとずっと思っていた。
「……っ、まっつん！」
「あ、いた及川。じゃあねA」
「うん、またね」

「まっつんってAさんと仲良かったっけ？」
「まぁわりと」
「Aさんにいつもあんなことしてるワケ？」
「あんなことって？」
「頭撫でたりとか…」
「Aが可愛くてつい」
「ハァ！？そんなの絶対ダメだから！」
その日及川くんは不機嫌だった。