Mellow

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「疲れちゃった？」

「…べつに」

「何怒ってるの」

「怒ってないもん」

「Aって嘘つくの下手くそだよね」

「ほんとにおこってません！」

「そのクマ気に入ってるの？」

「……気に入ってるよ。宝物だもん」



どうせ覚えてないくせに。ばかばかりょうくんのばか。なんかわたし本格的に子供みたいだ。5歳児かよって思わず自分でツッコミそうになる。相変わらず黄色いクマに顔を埋めたままの私と頭を撫でるりょうくん。



「そのクマさぁ、俺があげたから気に入ってるの？」

「……覚えてたの？」

「うん。最初に見たときからそうかなーって思ってた」

「なんで言ってくれないのばか」

「だってなんかAが拗ねててかわいかったから」

「拗ねてない！」

「りょうくん覚えてないんださみしいって顔してたよ」

「……してないもん」

「はいはい機嫌直して？ごめんね？」




にこにこにこにこしやがって！！！りょうくんには全部お見通しってことなのか！！！ずるい。ごめんね？って可愛く言ってもゆるさないんだから！！！


「俺がそれ取った時のこと覚えてる？」

「てっちゃんとゆめまるもいたよね一緒に」

「そうそう。Aがどうしてもそれが欲しいって言い出して、俺とてつやもゆめまるもみんなで必死にそれ狙ってさ」

「そうだったかも」

「で、なんとか俺が取ったんだよね」

「懐かしいね」

「本当懐かしいし、今もAが大切に持っててくれて嬉しいよ俺は」



そんなこと言われたら許しちゃうじゃんかやっぱりりょうくんはずるい。単純な私はもうご機嫌で、気付いたらりょうくんのにこにこ顔につられてわたしもにこにこしてる。



「拗ねた顔もかわいいけど、笑ってた方がかわいいよAは」

「りょうくんってそんなかわいいとか言う人だったっけ」

「ん？思ったことは言っていこうかなって」

「恥ずかしいからほどほどにしてください」

「やめてとは言わないんだ」

「いじわる」

「かわいい」




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