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それにしても、ふらふらする。
足元がおぼつかないとはまさにこの事かっていうくらいには、ふらふらしている。酔ってはいたけど、こんな感じじゃなかったのになんか変。もしや田中さんが渡してくれたお水がお水じゃなかったとか?だとしたら怖すぎる。
りょうくんのお家、もといわたしのお家まで歩いて帰れる距離ではあるけど、なんか歩くの無理そうだ。駅まで歩いてタクシー乗ろうかな、そう思って歩き出したところで後ろから肩を掴まれた。
「送っていくって言ったのに」
「一人で帰れるから大丈夫です」
「でもふらふらしてるよ(名字)さん」
「本当に大丈夫なので」
なんなのこの人怖いんですけど?着いてこないで欲しいのにずっと後ろを着いてくる。駅まであと10分くらいかかるけど、どこまで着いてくる気なのこの人。なんかイライラするし、話しかけてきてるけど無視だ無視。
そういえば、ここからだったらてっちゃんのお家の方が近いのでは?走れば、5分かからないような気がする。でも走れる自信なんてないよ酔ってるもんどうしよう。
「(名字)さん、歩くの大変そうだしどこかで休憩してから帰らない?」
これは本当にやばい。なんだよこいつちょっと顔がいいからって女の子がみんなお前のこと好きになるわけないんだからなばかばか!私が好きなのはりょうくんだ。
りょうくん今日撮影って言ってたから、てっちゃんのとこ行けば会えるかな。
走ろう。決めた。たとえてっちゃんの家で吐くことになってももういい。走ってやる。
「(名字)さん?」
「お疲れ様でした!帰ります!」
田中さんに掴まれた腕を振り払って、全力疾走。気持ち悪い。絶対吐く。
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花(プロフ) - ななさん» 温かいお言葉ありがとうございます!拙い文章ではありますが、続けて書いていけるように頑張りたいと思います! (2019年4月23日 23時) (レス) id: 20c6cc5c87 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 初めまして!素敵な読み物ありがとうございます(*'▽'*)これからも作者さんのペースで投稿待ってます…! (2019年4月22日 19時) (レス) id: 52db76b921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年4月13日 20時