空アル番外 ストレス ページ10
「エビとイカのドリアと海鮮風ピラフのオーブン焼き、トマトクリームのリゾットにマルゲリータピザ…デミグラスソースのハンバーグステーキも。若鶏のグリルと、あとそれから…」
「ストップだ、A。以上で」
「か、かしこまりました…」
引き気味の店員が注文の確認をとると、急いでその場を去った。がやがやと賑わうファミリーレストランで、遊作はAが持っていたメニュー表を取り上げると、あるべき場所へと仕舞う。注文を途中で止められ、メニューも取り上げられたAは不満そうに頬を膨らませた。
「何で止めるのよ遊作」
「頼みすぎだ、これ以上は食べきれない」
「私が全部食べるから、遊作には関係ないでしょ」
苛立った様子のAが窓がある方へと顔を背け、遊作から目を離す。それに遊作はため息をついた。いつもそうだ、Aは苛立つと普段の彼女では食べきれないほどの量の注文する。今回も突然ファミレスに誘われ、もしかしてまたストレスを溜め込んでるのではないかと予想していたが案の定だった。遊作は手元にある水に口をつける。空いた片手で草薙さんにこの場所のことを手短にSNSで送ると、彼もこの状況を察したようですぐに向かうと連絡が来た。
「…で、今回は何があった」
「私だって他にやることあるのに、総務のヤツらがしくじったとか何とかで…仕事が全部私に回ってきた。あいつら五人もいるのよ!?何で簡単な作業もできないわけ…あー!イライラする!!」
「落ち着けA」
「結局、私と山田で片付ける羽目になって…もうほんっと腹が立つ!!」
「山田…あぁ。あの、副会長か」
Aのマシンガントークを受け流しながら、遊作は背もたれに体を預ける。窓から見える信号や車のライトがチカチカと眩しい。苛立ちを隠さないAと遊作の前に、次々と並べられる料理。そこそこに頼んだものがテーブルに揃ったところで、Aは手始めに若鶏のグリルへと手を伸ばした。
「本当むかつく…むかつくしか言えない」
「…あんたはよく頑張ってる」
怒りで半泣き状態の彼女に遊作が一言。涙は決してこぼすまいと決めていたAの目から一筋、雫がこぼれ落ちた。あぁ、腹が立つ!涙をボロボロと零しながら頬いっぱいに若鶏のグリルを詰め込むAの頭を、遊作は優しく撫でる。
草薙が来るまでにせめて、3品くらいは片付けてしまおう。彼は近くにあったナイフとフォークを手に取った。
空アルif 夢主が草薙の彼女だったら→←空アル番外 リップクリーム騒動
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しゅりんぷ(プロフ) - 凌さん» リクエストありがとうございます。了解しました。小説が出来次第上げさせていただきます。 (2021年10月5日 2時) (レス) id: fea4bb2672 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - play maker側の女主人公がリボルバーに奪取され愛されるお話をお願いします。 (2020年10月9日 10時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - ねこみこさん» リクエストありがとうございます。ハノイの女子隊員リア凸了解しました。出来次第随時更新させていただきます。これからもどうぞこの小説をよろしくおねがいします。 (2018年10月13日 18時) (レス) id: 9546177262 (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - 加藤琉那さん» リクエストありがとうございます。了解しました。小説が出来次第上げさせていただきます。 (2018年10月13日 18時) (レス) id: 9546177262 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみこ(プロフ) - リクエストさせていただきます。遊作とハノイの女子隊員のリア凸で (2018年7月22日 13時) (レス) id: 185c2ad794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅりんぷ | 作成日時:2017年10月6日 22時