七. ページ7
翌日。
芹雫は今日から通う、立海大の制服(ブレザー)に身を包んで部屋を出た。
リビングまで降りてトーストを作って口に含む。
目だけを時計にやると、時刻は7:30を指していた。
「う〜ん……まだ大丈夫かな……?」
芹雫は一旦口からパンを離して言った。
するとまた口にパンを突っ込み、そのままかじる。
しばらくすると食べ終わり、皿を洗い桶の中に入れた。
学校へ行こうとしたのだが、部屋に鞄を置いてきたことを思い出し、一旦取りに戻る。
もう一度時計を確認すると、時刻は7:40を指していた。
「パン食べるの……時間かかりすぎちゃったかな……?ま、いっか」
気軽な気持ちで家を飛び出し、脅威な飛躍力で屋根から屋根へと飛んで行った。
「はぁ〜……気持ち良い〜……」
夏季のに珍しく涼しい風に浸りながら次々と飛んで行く。
その姿はまるで天使のようだった。
そんな彼女を見ている人々は、口々に「天使だ…」と言っていた。
芹雫はそんなこと気にせず、風に促されるように進んでいった。
同時刻。
赤也、ブン太、仁王、ジャッカルの4人は、風に促されるように進んでいく芹雫を見つめていた。
「すげぇ……」
ジャッカルは、目を芹雫に奪われるように見つめて言った。
「赤也、もしかしてお前が今日言ってた女って……」
「…そうッス……あの人ッス……」
赤也もブン太もまた、芹雫に釘付けになっていた。
「ありゃまるで天使じゃの」
仁王も興味深そうな目で芹雫を見つめる。
「何でもいいけどよ……もう遅刻だぜぃ?」
ブン太が携帯を確認して言った。
それを聞いた3人は青ざめて……
「ヤバいッス……」
「こりゃ早く行かねぇと……」
「遅刻決定なりね……」
赤也、ジャッカル、仁王は次々に口出していき、一斉に走り出した。
置いていかれたブン太は……
「嘘なんだけどな……」
1人で芹雫を見たいと言う理由で急かさせたのだが、罪悪感が残った。
ブン太は、最後に芹雫を一目見て校舎に向かって走り出した。
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作者名:雪女神 | 作者ホームページ:赤朱緋紅青蒼碧緑翠翆碧藤紫菫桃桜
作成日時:2018年4月22日 1時