【テニスの王子様】~恋と病~恋愛物語【切原赤也】 (ページ6)

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切原家。
「赤也～！」

赤也の母が息子の名前を呼んだ。

「んだよ、折角亜美とLINEしてたのに」

母ちゃんに呼ばれたから一旦抜けるわ。と送信して部屋を出た。

「何か用かよ」

あからさまにキレ気味で言った。
そんな彼の気も知らんぷりするように、彼の母が要件を言った。

「あ、来た来た。実はね、これを鈴子に渡してほしいのよ」

赤也の母が手に持っているものは、栗原鈴子と書かれた小物だった。

「はぁ！？んなもん自分で渡せよ！つーか、こんなことのために俺を呼んだのかよ！」

赤也がブチギレ寸前で母に怒鳴りつけた。
しかし母は臆することなくこう言った。

「でも、これを持ってったら、亜美ちゃんに会えるかもしれないわよ」

そう言われると、赤也は押し黙ってしまった。

「それじゃ、よろしくね」
「…いいけどよ、なんで母ちゃん自分で届けようとしないんだよ」
「そりゃもちろん、貴方と亜美ちゃんを会わせるためよ」

ふざけたような口ぶりだが、赤也は表情を崩さずこう言った。

「それ、絶対嘘だろ」
「…察しがいいこと…」

赤也の母は、諦めて本当の事を言うことにした。

「え…友達の見舞い？」
「そうよ」
「…母ちゃん友達いたんだな」
「なんかひどい言われようね」
「とにかく、明日は頼んだわよ」

赤也の母は、小物を赤也に持たせて部屋に行ってしまった。

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