【歌い手】KISS【luz】

kiss46 ページ46

「誓いのキス。」

「・・は？」


突然の光の言葉に、

取り敢えずそんな声が出た。


「病めるときも、健やかなるときも

　死が二人を別つまで

　仁科伊織は黒崎光のそばに居続けることを


　誓ってくれますか？」


それは、なんとも尊い誓いの言葉。


答えなど、

一つしかないというのに、

電話越しに、光の緊張が伝わってくる。


「誓います。」


少しの間を開けて、また、短いリップ音。

今度は、きちんと味わって、


ああ、これはきっと私の世界で一番尊く美しいキス。

電話越しでも、

顔が見えていなくても。




いつか、教会で

お互いの唇を合わせられたら、


その時は、


本物の誓いを言おう。

永遠に一緒にいると。



死が二人を別とうとも。

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