胸きゅん、しよう

膝枕、しよう ページ8

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「ただいま」


『！？おかえりぃ！！』



こんな会話したの何年ぶり…いつも勝手に帰ってきて無言で過ごしてたから新鮮！


なんて私は浮かれているけど風磨はそうじゃないっぽい。


乱雑にカバンを放り投げソファーにダイブする風磨。



…あれ、なんか、機嫌悪い…？



「もーまじで今日の講義だるすぎ、なにあの教授！話長すぎ！｣



なるほど、お疲れか。


ソファーでひとりでに愚痴る風磨にちょっと可愛いななんて母性本能くすぐられたり。



疲れた彼氏、そして母性本能働く彼女。


こんな時にぴったりの胸きゅんシチュエーションは、あれしかない。



『そんな風磨に朗報！』


ちらり、と私を見た風磨に続ける。



『私が膝枕をしてあげよう！！』



じゃん！と効果音がつきそうなくらいに言う私に風磨は期待して損したと言わんばかりのため息をして答える。



「求めてねぇわ…」


『なにそれ、普通に傷つくんだけど』



だけど私は折れないぞ。

風磨は大抵押しに弱いから、きっともうちょい攻めれば…いける。



『膝枕、癒されるんだって！私が風磨の疲れを取り除いてしんぜよう！はいれっつ胸きゅん！』



ぽんぽんと正座をしたももの上を叩くとしゃあねぇなぁと膝枕されにきた。


ふふ、作戦通り。



『どうですか、私の膝枕！』


「んー、なんかいつもの枕より高いから違和感、首いてぇ」


『えー私は上から風磨を見る優越感に浸れて楽しいけど』


「膝枕ってそういうもんじゃねぇたろ」



文句言う風磨を気にせずに何度も染めてるのにさらさらな髪の毛を梳かしていると、気持ちよさそうに目を細めた。


…なんだかんだ、可愛いじゃん。



しばらく頭を撫でていると風磨は私の手を掴んでそれを静止する。


ぱちり、と目が合うと、風磨はそのまま体を起こして、そのまま私にキスをした。


…ん？キス？



『はぁ、えっ、ちょっ風磨！？』


「こっちの方が疲れ取れるわ、じゃあ俺風呂入る」



そそくさとリビングを出ていく風磨。



『かっこよすぎ、反則…』



高鳴る胸の鼓動は止まることを知らない。



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