胸きゅん、しよう

バックハグ、しよう 2 ページ6

_Fuma



バックハグしよう、なんて急に言い出したAを後から抱きしめる。


平均より身長の低いAは俺の腕にすっぽりと収まって、なかなか良い眺めだ。



…でもAは反応を示さないので、後から耳元で


「満足ですか、お嬢さん」



なんて声をかけると、ぴくっと肩が反応した。




あー、そういえばこいつ、耳弱かったっけ。


やばい、自分でも分かるくらいにきっと今の顔はにやけている。


そりゃ、俺だって男ですし、こういうの見るといじめたくなるもの。



「バックハグして欲しかったんでしょ？どうなの？」


『や、やだ…』


「はぁ？Aがやってって言ったのにやだはなくねぇ？」


『だって…』



Aはぼそぼそと話を続ける。



『だって、風磨にこんなにドキドキするの、久しぶりで、どうすればいいかわかんない…』




予想外のことを口にするから、思わず腕の力が緩み、その隙にAは俺の腕をすり抜けて「恥ずかしいからもう終わり！風磨のばーか！」と言い自室へ駆け込んでいった。



「くっそ…」



俺だって、こんなドキドキしてんの、久しぶりだっつーの。


つい最近まで会話もないような状態だったのが嘘みたいだ。



「Aってあんな可愛かったか…？」



胸きゅんに、まんまとハマったようだ。







ちなみに、あの後心臓がもたないという理由でバックハグは週一というルールが追加されることになったのでした。




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