流 ページ9
物心ついたばかりの幼少期に近所の公園で剣持と出会う
一緒に空を見上げて頭を撫でて貰ったりして時間を潰し母親のお迎えでお別れ
また次の日公園に行けば同じベンチで空を見上げている剣持
同じように隣に座り空を見上げる
昨日とは違い直ぐに気付いた剣持はまたAの頭を撫でながら時間を潰す
そして時間が過ぎると母親が迎えに来てお別れ
そんな日々を繰り返しているうちにAが隣の県へ引越す事になった
いつもの公園に向かい剣持に「引っ越すから来れなくなるの」と伝えると
「そうですか...じゃあこれでお別れですね」
と言って頭をいつも以上に優しく撫でてくれた
「またいつか絶対に会おうね」って約束をするけれど剣持は忘れられることが分かっているので気持ち半分で約束をする
そして翌日、Aが隣の県へ引っ越していき公園には剣持が一人きりになった
〜時間経過〜
高校二年生にまで成長したAは両親の都合で元居た県に戻る事になった
住む家の場所は変わったが幼少期に住んでいた場所からあまり遠くない所だった
この時父親が「そういえば小さい頃よく遊んでたお兄ちゃんが居るって言ってよなぁ」と呟いた
母親とAは剣持本人と会っているので記憶が消えていたが父親は二人越しに話を聞いただけなので奇跡的に記憶削除の対象に入っていなかったのだ
二人は「そんな事言ってたっけ?」と小首を傾げたので父も「思い違いかも」と流してしまう
それから荷解きをして新学期が始まると同時に新しい高校へ編入
朝から職員室へ向かう道中で誰かに名前を呼ばれた気がしたが知り合いがいる訳もないので気のせいと思う事に
職員室で担任の先生に挨拶をして共に教室へ行きHRで自己紹介をする
何と割り振られた教室は剣持と同じクラスだった
しかし、Aは覚えていないので剣持に反応する事無く指定された机に座り周りの人に挨拶をする
剣持は教室の廊下側から二列目最後尾でAは窓際の最後尾の配置になっている
HRが終わり沢山の人が話しかける中、剣持は自分の席から観察していた
一日をかけてずっと観察し何回か話しかけたりして気付く『あぁ、やっぱり覚えてないな』
分かっていた事だが少し期待していた分落胆してしまう剣持
しかし、Aは何処となく剣持という存在に違和感を持っていた
『何だろう...なんだか凄く頭がムズムズする』
違和感の正体が気になるAは頻繁に剣持に話しかけるようになる
何回話しても違和感が募るばかり
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作者名:黒梟 | 作成日時:2023年1月8日 23時