流２ ページ20
椎「これ四階不味いんやない!!!!??」
想像以上に強くなった霊に泣き事を叫び始める椎名に「しっかり唱えろよ!!」と活を入れて祓う剣持
廊下を横断して四階に上がる階段についた瞬間全身に悪寒が走り三階の霊たちはピタッと止まった
明らかに四階に近寄らない様にしている霊の行動に上る覚悟を決めた二人
襲われなのを良い事に少し呼吸を整えてゆっくり階段を上る
上がりきり廊下を覗くと少ない処か玄関口に居た少女以外に一体も見当たらない
恐らく玄関に居たのが欠片で四階の少女が本体なのであろう禍々しさを放っていた
怯える椎名の頭を軽く撫でて剣持が前に出て竹刀を向けると少女は何を思ったのか背中を向けて歩き出した
襲われると思っていた剣持は思わず間抜け声を出し後ろにいた椎名もへたり込んだ
少女は二人に背を向けたまま歩いて暫くすると横を見て止まったので二人も慎重に近付く
少し距離を置いて立ち止まり少女が見ている方向を見ると階段がありその先には屋上に通じる扉があると思われる
二人がそれを確認したのを見た少女はまた煙の様に消えて行った
残された二人は警戒を解かないまま屋上の扉へ向かい鍵のかかっていないドアを開く
いつの間にか茜色に染まる空に照らされた屋上
その端の方に一人の女生徒が座っていた
音を立てないよう近付くと「こんばんは」と話しかけれ2人が足を止める
振り向か無いが会話が出来そうなので「貴女がこの廃校を纏めてる霊ですか？」と聞く剣持
返事は無かったが肯定と捉え霊に成仏するよう言ってくれとお願いしてみる
しかしAは「無理だよ、君達が祓ってあげて」と断っが「でも、」と付け加えて学校にいる霊の事を細かく教えた
帰る時にAから聞いた内容を試して祓うといつも以上に作業効率が上がったので翌日から日中に来て深夜に祓いながら帰る方法をとった
Aも何かしら動いてくれたのか祓った霊が復活する事は無く一週間と少し続けて屋上のAと四階の少女以外を祓いきった
「四階の子は私を心配してるから私が消えればついて来てくれるよ」
いつもと変わらない場所に座り下を見下ろすAに竹刀と札を構える二人
椎「後はアンタとあの子だけなんよ」
申し訳なさそうな顔をして言う椎名と警戒態勢の剣持
途端にAが飛び降りる
二人は驚いて下を見下ろすが姿は無く後ろから声がした
屋上の中央に戻っていたAが「噂にされてから、消えたくて毎日飛んでも死ねない」と言う
分岐入ります
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作者名：黒梟 | 作成日時：2023年1月8日 23時
