Sparkler.7 ページ7
一週間ほど休めと学校側から連絡があり、渋々一週間も休みを取ってしまった。
受験生なのに大丈夫だろうか、私は。
ちなみに家族の葬儀は軍警による捜査が終わるまで出来ないということで暫く保留となっている。
流石に葬儀の準備なんか私ができるはずも無く、親戚が引き受けてくれることになった。
「Aちゃんも災難ね…。」
「外出してたのが幸いよ…でも、辛いわよね。」
そう電話で声を掛けられたが、誰一人、太宰治に引き取られたことに口出しをしなかった。
変だと思わなかったのだろうか。
「まぁ、気持ちの整理がまだつかないと思うし、まだ中学生なのだから、葬儀なんかは任せてね。」
「有難う、御座います。」
当然、そうなれば私にやることなどないわけで。
あの日から二日たった今も相変わらず探偵社の隅に座り込んでいる。
昨日は童顔自称名探偵__江戸川乱歩__に早朝から絡まれ、太宰治は任務に行ったかと思えば国木田さんが任務放棄しやがってと怒り狂うのを目の当たりにしたり、なんとも騒がしい一日だった気がする。
そして今、任務帰りの前髪斜め__中島敦__と和装幼女__泉鏡花__との御対面中。
「え、えぇと、初めまして。僕は中島敦です。Aさん。」
「泉鏡花。」
「宜しく。知ってると思いますがAです。」
相変わらず体育座りをしている私の目の前に二人はのぞき込むようにしていた。
体制が辛そうだったので折角話に来てくれたのに申し訳ないと思い、立ち上がると驚かれた。
「し、身長お高いですね。」
「170cmくらいしかないですよ。あと、敬語。私の方が年下ですし大丈夫ですよ。」
そういうと可也驚かれた。
太宰治の時もそうだったがそんなに老けて見えるのだろうか。
「Aさんは一体、幾つなんですか?」
「十四。」
「私と、同じ?」
そして鏡花ちゃんと同い年ということが判明した。
誕生日も五日違いだった。
そんなこともあってか2人とは仲良くなった。
その後は三社鼎立だのなんだのの話を聞かされ、よく意味がわからなかったが、自分達がのうのうと生きている間にとんでもないことが起こっていたのだと実感させられた。
その話の中でもQとやらの被害については私も目の当たりにしていたため、事の重大さを実感させられたのだが。
「Aは、家族が死んで、悲しい?」
そんな中で、鏡花ちゃんが急に話題を切り替えてきた。
「それとも、嬉しい?」
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作者名:津田万水。 | 作者ホームページ:@lotus_1022
作成日時:2017年8月28日 7時