検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:5,944 hit

Sparkler.17 ページ17

あれから、太宰名義で学校に通い始めると、初めは様々な目で見られたが段々前のような生活に戻ってきた。

変わったことといえば思い出したくもないほど物凄く強烈な入社試験を受け、探偵社に入社したことくらいだ。

因みに、線香花火は願いを叶えてくれたのか叶えてくれなかったのか、イマイチ分からないままだ。

だが、間違いなく言えるのは私は線香花火のお陰でとんでもない事に巻き込まれたということだ。

そこで自分を見つけろということだろうか。

全く理解ができない。


「紅子ちゃん!写真撮ろ!」

「あ、うん。」

そして今日は卒業式。

時が過ぎるのは本当に早いと思う。

午前は式、午後は部活の集まりと夕方から夜まではクラス会。

式ではボロ泣きしてしまい、クラス中に笑われたのは言うまでもない。

式には太宰治も来ていた為、あとから弄られないかが心配だ。

式中に保護者席に目を向けると、そこには北村四海も来ており、綺麗な着物に身を包んでいた。

マフィアとは思えないと今でも思っている。

北村四海は午後の部活の集まりにも来た。

そこで太宰治と何やら口論になっていたが私も北村(妹)も恥ずかしかった為、赤の他人の振りを突き通した。


そして午後、クラス会は何故か幹事の一人に任命され、なんだかんだ言ってクラスに馴染めてたのだと実感した。

「太宰さ、高校なんで行かなかったんだよ。」

「あー、うん、新しく引き取ってくれた人に迷惑かなって。それに、うん、就職決まったから。」

「はえーな、おい。聞いたか、皆?こいつ就職だって!」

「ちょ、杉山!」

クラス会。

写真を撮ったり雑談したり、みんな最後の時間を楽しんでいる中、私は高校進学を諦めた為(学力的問題はなかったが)散々質問攻めされた。

「えー!紅子ちゃん何処就職?」

「ん?内緒。」

教えてと攻め寄る女子に予想し始める男子。

やっぱり五月蝿いクラスだと思っている。

少し、ここに入れてよかったと、あの時、死ななくてよかったと思っている。


太宰治には感謝しなくてはならない。

「でも、凄く、暖かい場所。ここみたいに。」

Sparkler.18→←Sparkler Letter…



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:津田万水。 | 作者ホームページ:@lotus_1022  
作成日時:2017年8月28日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。