検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:5,945 hit

Sparkler.12 ページ12

「羅生門____。」

咄嗟に横に避けるも、右足を負傷してしまい、座り込む。

「黒が、来た…。」

ポートマフィア遊撃隊隊長___芥川龍之介
異能力____________『羅生門』

「芥川君…!?」

太宰治が彼の名前だと思われることを言うと、私の方に駆け寄ってきた。

が、それも、あの芥川という男が出す黒いナニカが邪魔をする。

屹度私の予想通りならば、太宰治は反異能者なのだが、何故、態々あの黒を避けたのかは分からない。

その間にも私の右足からは鉄臭い臭いを放つ血がドロドロと流れ出る。

「芥川君、何故君がここに居る。そして、何故…。」

「僕の目的は其処の小娘。死者に干渉できる娘の捕獲故。」

誰もが欲しがる貴重な記憶。

矢張りマフィアも狙っていた。

私の中で、恐怖が膨れ上がる。

太宰治と芥川が何か喋っているがそれすらも耳に入ってこない。

それ程、焦りと恐怖を感じている。

数日前までじゃありえない光景。

数日前までは、確か、ちょっぴり嫌われ者の普通の女子中学生だった筈。

なのに、なんで…。

[A、逃げて。]

[こちらへ逃げておいで。]

[普通に、なりたいでしょう?]

線香花火が最後まで落ちなかったら願い事が叶うんだって。


私らしくなれるように、幸せになれるように。


叶えてよ。

線香花火。

「うちと遊ばん?Aチャン?」

誰かに肩を叩かれ、振り返ると、そこはもう、路地裏ではなかった。

ポートマフィア構成員_____北村四海。
異能力____________『鬼無菊』

いつの間にか消えている右足の傷。

見慣れない景色。

知らない女。

「此処は、何処?」

Sparkler.13→←Sparkler.11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:津田万水。 | 作者ホームページ:@lotus_1022  
作成日時:2017年8月28日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。