第8夜 ページ8
「小芭内に見られてしまった。」
夜。
月光が差し込む一室に朝霧は寝かされていた。
至る所に厚かましいくらいの包帯が巻かれており、傍には鎮痛剤が水と共に置かれている。
襖越しには胡蝶が座っており、朝霧は痛みに耐えられず寝たままだが、襖越しの胡蝶と会話をしていた。
「朝霧さん、いつかは皆さんにも話さなければなりません。私に打ち明けた時のように。伊黒さんの場合、それが今だっただけなのではないでしょうか?」
考え込む。
朝霧はふと胡蝶に己の秘密を打ち明かした時の事を浮べた。
あの時はどうしようもなかったのだ。
誰かには打ち明けなければ自分は生きながらえることは出来ない。
朝霧は誰かの手助けなしでは生きることは不可能な体であった。
そんな時、見つけたのが医学に長けている胡蝶だった。
ただそれだけの話であった。
「しかし、このことは簡単に口にしてはいけない。」
「ええ、ダメです。外部に漏れれば、世間を揺るがしかねません。それに、このことが鬼に知れ渡れば、必ず、貴方は鬼舞辻無惨に狙われます。もしかしたら死に際の上弦が情報を送っていたとしたら、既に貴方は危険な状況です。」
柱と言えど、上弦を何とか仕留められる、言ってしまえば皆その程度の実力であった。
軽々しく鬼舞辻など殺せない。
もし、鬼舞辻が朝霧を求め、襲撃してきたら?
朝霧は間違いなく、捕らえられてしまう。
もしかすれば喰われてしまうかもやしれない。
「話す、しかないのか。」
そう言って彼の金色の双眼はそっと仕舞われた。
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天麩羅 - わわわ更新されてるぅぅううう!! (2020年3月15日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - わぁーーーぁああああ!面白いぃぃぃぃいいいい!更新頑張って下さいぃいい!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - いおりさん» ありがとうございます。そのようなお言葉本当に嬉しい限りです。 (2020年2月1日 22時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)
いおり - めっちゃどタイプの小説きたーーーっ、これからも期待して待ってます。更新頑張ってください (2020年1月12日 14時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - mo4さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年1月12日 13時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lotus_1022
作成日時:2019年9月9日 22時