9.大学生 ページ9
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_____2017.夏《髪染めてんけど》
大学生活にも慣れ始めた1回生の夏。
チラッとカーテンを開けるけど、
夏休みだと言うのにボウの部屋は真っ暗。
私だって、夏休みに予定の一つや二つあるからな。
『いってきます』
いつもより短めのスカートで、伸ばした髪はふわっと巻いて出かける。
あまりしない化粧も気合を入れて。
大学生になってから、1回も会っていなかった人に
こういう日に限って会ってしまうのは、何かの縁?
同じタイミングでガチャっと開かれたお向かいのドアから、私の知らない服を着たボウが出てきた。
ほら、いつもグレーのパーカーやったやん。
そのお洒落な服は、誰の趣味?
汐恩「久しぶりやな」
『やな』
汐恩「なんか雰囲気かわったんとちゃう?」
『そりゃ大学生やからな』
私は卒業してから染めた茶色の髪の毛を触って答える。似合ってる、なんて言葉がボウの口から出てこーへんのも知ってる。
「確かに大学生や」なんて興味もないならそんなこと言うな。
携帯をチラッと見て、またな!って走っていったボウを見る。
『髪染めてんけど…』
気づかれることも無く、虚しく独り言に終わる。
ボウは走りつつ、
数年前は気にしていなかったはずの前髪を整えながら嬉しそうに電話をかける。
相手が誰かなんて、すぐ分かる。
私はボウのことを誰よりも知ってるねん。
いいもん、
私だって恋するもん、
迷っていた気持ちは、このボウを見てなくなった。
ボウのことなんか忘れて、
今日は楽しもう、純喜さんと。
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「おいしい?」
『はい、美味しいです』
「よかったぁ〜」
絵に書いたようにニコッと笑う純喜さんに、
なんだか私まで照れてしまう。
歓迎会があったあの日から、
少しずつ純喜さんとの仲は深まり、
今日初めて2人で食事に行くことになった。
「実はずっとご飯行ってみたかってん」
『ええ、嬉しいです』
人気者の純喜さんは、すごくモテると思うし
なんで私なんかを誘ってくれるのか分からへん。
川西さんによると、「オキニやな!」らしいけど。
『飲まないんですか?』
「そんなんAちゃんが気にしたらあかんわ
シラフで行きたい日もあんねん、大事な日は」
お酒が好きなはずの純喜さんなのに、
私が飲めないから、私の前では飲まない。
大事な日って…ただのご飯ですよ。
そんなこと口にすることはできずにあははと笑う。
祥生、私
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^^(プロフ) - このストーリー大好きです😭💞続き楽しみにしてます🙇♀️🙇♀️🙇♀️ (2022年2月14日 5時) (レス) @page10 id: feebfdcf28 (このIDを非表示/違反報告)
ミイ(プロフ) - 小森さん» ありがとうございます!更新しますね!! (2021年10月14日 23時) (レス) id: beccf8bfba (このIDを非表示/違反報告)
小森(プロフ) - このお話本当に大好きです。続きを楽しみにしています! (2021年10月13日 3時) (レス) id: ef7b8555f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミイ | 作成日時:2021年9月19日 20時