1.中学生 ページ1
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＿＿＿＿2013.春《懐かしくなってきたわ》
『中学あっという間やったな』
汐恩「ほんまそれ」
『ボウは勉強してへんのに高校受かってよかったな』
汐恩「めっちゃしたやん、誰かさんに見張られてゲームすら出来へんかってんぞ。」
『そやっけ？』
誰かさんってそれ私やな。
私、ずっとボウの家おったからな。
なんなら、家庭教師としてお金払ってくれてもええで。
卒業証書片手に、歩き慣れた帰り道を、
ボウと肩を並べて歩く。
いつの間にか私より大きくなったボウ。
見上げんと話されへんくらいに。
ちょっと前まで、競い合っていた気がするのに。
卒業証書を持っていない方の左手に、私の右手を持っていく。さすがに恋人繋ぎは我慢した。
汐恩「なんや」
『小学生の頃はこうやって帰ってたやろ。』
汐恩「もう中3や、しかも卒業したわ」
『あーあ、わかった。離せばええんやろ』
名残惜しく離れた手と手、
まあ、名残惜しいのは私だけやねんけど。
汐恩「そうは言ってへんやろ、めんどくさ」
ぶっきらぼうに繋ぎ直された手。
私はボウのデカくてプニプニした左手をぎゅっと握った。
この手を一生離してやるもんか。
もう1回、力を込めて握ってやった。
「なんやねん」って言われる前に
『懐かしくなってきたわ』って言い訳する。
苦しまみれの言い分やけど、ボウは気づかない。
もしくは、気付かないふりをしてくれてる。
たぶん前者。
ボウは私の片思いに10年間も気づかんと過ごしてるんやから。ほんま、鈍感な幼なじみ。
「おかえり」
先に車で帰ってた卒業式帰りのスーツ姿のママたち。
「あーらいつまで手繋ぐねん」「ほんまや」
ボウのママに突っ込まれて、今度こそ離された手と手。ボウは恥ずかしそうに「うっさいわ」と言った。
春からも同じ高校に通う。
きっとまた、同じ関係でずっと一緒にいられる。
私とボウは、変わらない。
そう思ってたんは、私だけやったんかな。
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^^(プロフ) - このストーリー大好きです😭💞続き楽しみにしてます🙇♀️🙇♀️🙇♀️ (2022年2月14日 5時) (
レス) @page10 id: feebfdcf28 (このIDを非表示/違反報告)
ミイ(プロフ) - 小森さん» ありがとうございます！更新しますね！！ (2021年10月14日 23時) (レス) id: beccf8bfba (このIDを非表示/違反報告)
小森(プロフ) - このお話本当に大好きです。続きを楽しみにしています！ (2021年10月13日 3時) (レス) id: ef7b8555f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミイ | 作成日時：2021年9月19日 20時
