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「…泣くな、太一」
「……っ、泣いてっ…ないっ!
泣いてもいいのは、Aのほうだッ…。
なんでだよッ…泣いて、取り乱して
『どうしてっ』って…責められると、思ったのに…、そっちのほうが、幾分か 良かったのに」
「ばか。Aなりの気遣いだろ。
……太一がたくさん悩んだ結果が、これだと分かってて、それを否定できないだろ…。
少なくとも俺なら否定しない」
「………そっか、賢二郎は大人だな。
俺うらやましい」
「…大人じゃねぇよ、別に。
自分のことじゃないし。…だから、蚊帳の外から何でも言えるだけ」
「はは…、そうかよ。
さすがウチの正セッター様」
「…そこにセッターは関係ない。
………まぁ、蚊帳の外から見てた側からの予測だけど…
…今頃 一人で泣いてると思うけどな」
「…… 」
「…戻って抱き締めて『俺が悪かった』とでも言いに行く?」
「………それは…」
暗い町並みの中、一人で涙を流して
いるであろうAの姿が頭を過った。
自ら選んだくせに。
俺の足に、今にも180°向きを変えて
駆け出さんとばかりに力が入った。
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佐佐木 燈夏(プロフ) - 宇 多さん» お好みのお話でしたか、大変嬉しいです!\(^0^)/お気遣いまで…、ありがとうございます!きちっと完結させますので、それまでよろしくお願いします〜!m(_ _)m (2018年9月18日 22時) (レス) id: e40b23aa69 (このIDを非表示/違反報告)
宇 多(プロフ) - コメント失礼します。こういう展開が個人的にとても好きな上、太一が凄く好きだったので見つかって嬉しいです。暑い日が続きますがお体には気をつけて、更新を楽しみにしております(*´ー`*) (2018年8月15日 18時) (レス) id: 0eebc288f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐佐木 燈夏 | 作成日時:2018年4月7日 0時